U20堂安 4人抜き16強弾!イタリア相手に“堂々”2発

◇U―20W杯韓国大会・1次リーグD組 日本2―2イタリア(2017年5月27日 天安)

U―20日本代表は1次リーグ最終戦でイタリアと対戦し、2―2で引き分けた。勝ち点4でD組3位となったものの、各組3位で上位4チームに入ることが確定したため、決勝トーナメント進出が決まった。前半7分までに2点を先行されながら、MF堂安律(18=G大阪)の2ゴールで追い付いた。決勝トーナメント初戦は、30日にベネズエラと対戦する。

日本を救った。カテナチオ(かんぬき)と呼ばれる堅守のイタリア相手に、開始7分で2失点。この窮地に堂安は「完全に火が付いた」と奮い立った。前半22分にMF遠藤の左クロスから反撃ののろしを上げる1点目を奪う。圧巻は「自分の特長を出せた」という後半5分のプレーだった。

MF市丸の縦パスを受けた堂安は1タッチでマーカーを置き去りにし、ペナルティーエリア内に進入。DF3人が詰め寄ったが、狭いスペースを強引に突破した。ドリブルで計4人を抜き、飛び出したGKに触られる前に左足でシュート。ゴール右へ同点ゴールが決まった。視察した西野朗技術委員長も「まるでマラドーナかメッシを見ているかのようだった」と絶賛。ユース時代に「マラ堂安」とニックネームを付けられたことがある。86年のW杯メキシコ大会でアルゼンチン代表のマラドーナが、準々決勝イングランド戦で披露した伝説の5人抜きゴールを連想させるインパクトを残した。

「航基(小川)がいなくて、あいつの分も点を取ろうと思っていた。楽しくて仕方なかったですね、後半は」

第2戦ウルグアイ戦で小川が左膝前十字じん帯断裂および左膝半月板損傷で全治6カ月以上を要する重傷を負った。合宿や遠征で常に小川と同部屋なのが堂安だ。気丈に振る舞うエースからは「いいとこ持っていけよ」と送り出された。2点目を決めると、スタンドで見守っていた小川に見せるかのように、自らが用意するようお願いしていた背番号9のユニホームを大きく掲げた。

今大会はチームの優勝に全力を尽くすとともに、海外クラブへのアピールの思いもある。小学6年生のとき、G大阪ジュニアユースへの入団が決まる前は「ブラジルにサッカー留学したい」と言った。本気だった願いは実現することはなかったものの、今も海外移籍は目標に置いている。世界に向け「DOAN」の名を印象づける2発にもなった。「満足したら自分はダメな方だし“まだまだ”と言い聞かせながらやっていきたい」。頂点を目指す戦いは続く。

▼FW小川 (スタンドで観戦し)心の底から応援していましたし(追い付いて)うれしかったですね。この大会にも人生を懸けていたけど、東京五輪はもっと大きな大会。そこで爆発できるようにしたい。(きょう28日に途中離脱して帰国)

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