堂安渡欧「10年は海外で」 G大阪「育成の宝」オランダ移籍

■1部リーグ・フローニンゲン

 19歳の決意は「勝負の1年」で結実するか。J1G大阪のMF堂安律(どうあんりつ)がオランダ1部リーグのフローニンゲンに期限付きで移籍する。G大阪の育成組織で育った“アカデミーの宝”にとって待望の海外初挑戦。「ガンバでタイトルを取りたいという選択肢もあったけど、成長したい思いが強かった。東京五輪までに日本代表入りする」と誓い、成功への道を切り開く。(吉原知也)

 兵庫県尼崎市出身。昨季、飛び級でトップチーム昇格を果たし、今季は主力に定着した。足元の技術、当たり負けしない体の強さを兼ね備え、同じ左利きのアルゼンチン代表FWメッシ(バルセロナ)があこがれの選手だ。

 昨夏にはオランダ1部の名門、PSVアイントホーフェンからオファーを受けながら、愛着あるG大阪への心残りもあって残留。だが、以前からの強い海外志向に拍車をかけたのが、3得点を挙げたU-20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)韓国大会だった。今年5月、同年代の猛者らと戦い「想像以上に感じたものがあり、行きたい気持ちが倍以上に増えた」と決断の理由を語る。

 新天地は育成に定評がある昨季8位のフローニンゲン。今回の移籍は自身のステップアップを見据え「まずは試合に出ないと。10年は海外でやる気持ち」。将来はビッグクラブに駆け上がる青写真を描く。

 自身もG大阪から19歳で欧州に渡り、昨夏から再びドイツで研鑽(けんさん)を積む宇佐美貴史(25)=アウクスブルク=は「海外に行かないと感じない部分はある。刺激し合いながら頑張りたい」とエールを送る。

 強気の19歳は、来年のロシアW杯の日本代表入りへの意欲も隠さない。「オランダで爆発的な結果を出せるかどうか。(ハリルホジッチ監督は)選んでくれる監督だと思う」。野心あふれる挑戦が幕を開ける。

 堂安は28日、オランダへの出発前に関西空港で取材に応じ「ゴールを取って、圧倒的な数字を残したい」と意気込んだ。メディカルチェックを受け、7月1日からチームの練習に合流する予定。

リンク元

Share Button