故郷レッズから宿敵ガンバへ…矢島慎也、不退転の決意「どこか慣れ親しんだ環境で…」

新指揮官が配備するのは2列目か、それともボランチか

 今季のガンバ大阪が期待の即戦力として釣り上げたのが、24歳のMF矢島慎也だ。

浦和レッズのアカデミーで英才教育を施されたエリートは、年代別の日本代表に名を連ね、リオ五輪代表にもエントリー。ファジアーノ岡山での2年間の武者修行を経て、昨季はJ1で11試合(1得点)に出場した。だが攻撃的にも守備的にも振る舞える中盤のオールラウンダーは一念発起する。故郷の浦和を離れ、吹田の地を踏む決断を下したのだ。

1月20日の新体制&新入団発表会見では、少し照れながらこう自己紹介した。

「浦和レッズから来ました矢島慎也です。ポジションはボランチか2列目でやってます。パスやトラップなど基礎技術のところや、ゲームを作るところを観てほしいです。ガンバ大阪で成長できるように一日一日努力を続けたいと思います」

2017シーズンの浦和では、思うように出場機会が得られなかった。分厚い中盤の選手層のなかでもがきながら、自問自答を続けたという。ガンバは1年前にもオファーをくれたクラブで、今回も早々に獲得に乗り出してくれた。その熱意も決断を後押しした一因だったと振り返る。

「僕は浦和のユース育ちで、あのまま浦和で続けることももちろん考えた。ただ自分のなかで、どこか慣れ親しんだ環境でやることに引っ掛かりがあったんです。ガンバさんは2年連続でオファーをくれて、しかも今回はとても早かった。熱意を感じたと言えばありきたりですけど、嬉しかったです。ガンバは小さいころから見てきた、浦和にとってのライバルチーム。そして、間違いなくビッグクラブ。そこに身を置くことで、周りの選手と競争することで、確実に成長できる部分がある。自分の知らない場所に飛び込んでやってみるのも大事だと思い、ガンバ行きを決めました」

過去にガンバとの対戦経験はない。昨季の埼玉スタジアムでの一戦では、「最後までベンチから見てたんですが、テンポ良くパスを繋ぎながら攻めてる印象でした。あそこに入ったら僕自身、楽しくできるだろうなとは思っていました」と、イメージを膨らませていたという。

はたして、適材適所をモットーとするレヴィー・クルピ新監督は、高質なユーティリティーである矢島をどのポジションで起用するのだろうか。欧州に旅立った井手口陽介の穴を埋めるべく、ボランチで司令塔然とプレーさせるのか。それとも、決して選択肢が豊富ではない2列目で攻撃の急先鋒となるか──。

週明けスタートの沖縄キャンプにおける、注目ポイントのひとつだ。

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