今季の主役になるのは?2018・Jリーグで見ておくべき注目選手5選!(MF&FW編)

1993年5月15日、国立競技場で産声を上げたJリーグは四半世紀の時を経た2018年、25周年を迎えた。この25年にわたる長い年月のなかで数多くの名プレーヤーたちを輩出してきたJリーグ。開幕直前の今回は、そんな名プレーヤーたちの仲間入りが期待される注目選手をポジション別にピックアップ。MF&FW編では日本の将来を担うであろう神童や新天地で大ケガからの復帰を目指すドリブラー、名門で一時代を築いたベテランなど、5選手を紹介する。

■久保建英[MF/FC東京]

昨年11月にFC東京U-18から昇格。16歳のプロになったのを機に通信制高校へ転校し、原則午前中に行われる練習に参加できる状況を整えた。2月上旬には恒例のJリーグ新人研修に出席。最後に提出した5年後の自分に宛てた手紙には、スケールの大きな夢がしたためられている。

「サッカー選手として大きな存在でありたい、というのはあります。『久保選手を見てサッカーを始めました』と言ってもらえるような、より大きな影響を周囲に与えられるような、ひと言で表現すればすごい選手になることが僕の目標でもあるので」

FCバルセロナの下部組織で注目を浴びた逸材は、開幕前の対外試合6戦で4得点をあげて長谷川健太新監督へアピールした。それでも「シーズン前に数字を掲げるのは、自分はあまり好きではないので」と具体的なゴール数などを封印。心憎いほど冷静に、12月まで続く長丁場の戦いを見すえている。

■齋藤学[MF/川崎フロンターレ]

キャプテンと「10番」を担った横浜F・マリノスから、ホームタウンが隣接するJ1王者へ、それも契約満了に伴ういわゆる「ゼロ円移籍」で加入したことで、激しいバッシングを浴びた。すべて覚悟の上だった。

「最終的には周りがどうこうより、自分にとって一番厳しい道を選ぼうと。これだけ強く、ポジション争いが激しいチームで、自分が挑戦するという意味でここだと」

新天地で背負う「37番」に不退転の決意を込めた。マリノスユース時代に2種登録された2008シーズンに用意された背番号を、「一から始める時につけるにはいい番号かな」と自ら望んだ。

昨年9月に右ひざの前十字じん帯を損傷。全治8カ月と診断されたが、「タイミングとして(ワールドカップの日本代表入りへの)可能性を残せるくらいの時期に復帰しようと思っている」と明言。ドリブルという個の能力を、J1屈指の攻撃陣に与えられるシーンを思い描きながらリハビリを進めていく。

■中村敬斗[FW/ガンバ大阪]

高校2年生にしてプロの世界へ挑むことに不安はなかった。むしろ一刻も早く、高いレベルでさらに心技体を磨き上げたかった。

昨秋にインドで開催されたFIFA・U-17ワールドカップ。ホンジュラス代表とのグループリーグ初戦で達成したハットトリックを含めて、チームトップの4得点をあげた点取り屋は三菱養和SCユースでの最後の1年を残して、飛び級でガンバ大阪とプロ契約を結ぶ道を選んだ。

今シーズンから指揮を執る、レヴィー・クルピ監督の存在が決め手になった。セレッソ大阪監督時代に香川真司(現ボルシア・ドルトムント)らの若手を、積極的に起用しながら育てた64歳のブラジル人監督が描く今シーズンの青写真には、すでに中村も含まれている。

180cm、75kgのボディに決定力、三菱養和SCで磨いたドリブル、そして無限のポテンシャルを搭載した17歳は「勝ちにこだわり、得点やアシストでチームに貢献できるように頑張りたい」と、まったく物怖じすることなく日々の練習を楽しんでいる。

■前田大然[FW/松本山雅FC]

昨シーズンのJ2戦線に、大きな衝撃を与えたストライカーの一人と言っていいだろう。期限付き移籍した水戸ホーリーホックで、36試合に出場して13得点をマーク。山梨学院大附属高からプロの世界に飛び込んで2年目で、大ブレイクを果たした。

50mを5秒8で走破するスピードだけでなく、トップスピードに到達するまでの加速時間の短さでも群を抜く。坊主頭の韋駄天ぶりは、瞬く間にJ2の名物となった。

「素晴らしいサポーター、そして松本山雅に関わる全ての皆様と一緒に、J1昇格に貢献したいという思いが強くなり戻ることを決意しました」

飛躍するきっかけを与えてくれた水戸へ感謝しながら、戦いの場を松本山雅FCへ戻す今シーズン。173cm、67kgの体に搭載された旺盛な闘争心と、武者修行で身につけた成果を4年ぶりのJ1昇格のためにぶつける20歳のホープは、2年後の東京五輪に挑む森保ジャパン入りも視野に入れている。

■本山雅志[MF/ギラヴァンツ北九州]

18年間も所属し、2002シーズンからは神様ジーコの象徴だった「10番」を背負った鹿島アントラーズを2015シーズン限りで退団。新天地に選んだ生まれ故郷のギラヴァンツ北九州ではケガの連鎖に苦しみ、まだゴールを決めていない。

2016シーズンは終盤に右ひざの前十字じん帯を損傷。チームも最終節で敗れてJ3へ降格した。復帰間近だった昨夏には右ひざの半月板を損傷。2度の手術を乗り越え、6月には39歳になる今年は副キャプテンを任されている。

チームで最も大きな「43番」を望んで背負う。強豪・東福岡高に入学した1995年。最初の練習試合で手渡されたユニフォームに「43」が記されていた。

「東福岡は僕が飛躍したチーム。そこでつけた最初の背番号のもとで、原点に戻ってサッカーをやりたいな、という気持ちがありました」

森下仁之新監督のもとでJ2復帰を目指す戦いで、鹿島仕込みの勝者のメンタリティーを宿らせるベテランは必ず存在感を放つはずだ。

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