【G大阪】昇格組・大分相手におごりを消す“弱者の兵法”…現実見据えた宮本監督の采配で連敗3で止めた

◆明治安田生命J1リーグ第8節 G大阪1―1大分(20日・パナスタ)

G大阪は元日本代表MF遠藤保仁(39)の22年連続(13年のJ2含む)となるゴールで追いつき、大分に1―1と引き分けて連敗を3で止めた。J2からの昇格組を相手に、スタメンを入れ替えて5バックの守備的な戦いを選んだ宮本恒靖監督(42)の戦略を、G大阪担当の金川誉記者が「読み解く」。

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宮本監督にとって、苦しい90分間だったはずだ。指揮官は得点源の韓国代表FW黄、FWアデミウソンをベンチスタートにした。5バックで前半は守備的、後半に“両エース”を投入して勝負、というプランで臨んだ。しかし前半21分、FW渡辺の負傷で早々に黄を投入。さらに同25分、相手のハンドにも見える不運な形から失点と、狙いは早々に崩れた。

後半はアデミウソンを入れて4バックに戻し、主導権を握って追いついた。前半から後半の戦いができれば、勝ちきれたのでは…とも見えた。だが、指揮官は「我々はホームだから、いつも攻撃的なサッカーをしなければいけないのか。攻撃的なサッカーで負けてしまえば、それは意味がない」と言い切った。この試合まで今季ホーム4連敗で、計11失点。その結果を踏まえ、前半は守備的な戦いに徹するという決断だった。

宮本監督は今季、チームにはびこる「タイトルを取ったことがあるという心の隙」を指摘していた。昇格組の大分に“弱者の兵法”で挑んだことは、自分たちのおごりを消す狙いもあったのではないか。

G大阪は攻撃で主導権を握るという志向を常に掲げ、2度のJ1制覇など数々のタイトルを獲得してきた。しかし主力の高齢化など過渡期を迎える今季は、若き指揮官の下で現実的な戦いに徹する必要があるとみる。

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