【記者の目】PSVは堂安を「戦力」として獲得…結果残せばビッグクラブ移籍も

オランダ1部PSVは27日、フローニンゲンから日本代表MF堂安律(21)を獲得したと発表した。堂安はG大阪から17年にフローニンゲンへ加入し、1年目はリーグ戦9ゴール、2年目の昨季は5ゴールを挙げてチームの中心に。オランダで実績を残した堂安に対し、G大阪時代の16年にもオファーを送るなど継続して追い続けてきたPSVが今夏の獲得を熱望し、日本人初の移籍が実現した。

今夏Jリーグから数々の若手が欧州へと渡ったが、堂安の移籍はこれらとは意味合いが違う。欧州での実績のない日本人選手を1億円前後の移籍金で獲得することは、外れてもリスクの少ない“投資”。今夏、日本国内から移籍した選手はほとんどがこのパターンだ。しかし減額されたとはいえ、PSVが10億円近い移籍金を支払うことは、堂安を完全に戦力として獲得したことの証明だ。

オランダリーグの過去10年で優勝5回のアヤックス、同3回のPSVは、欧州ビッグクラブへの登竜門となっている。昨季はアヤックスが欧州CLのベスト4に進出。その活躍が高く評価され、中心選手のオランダ代表MFデヨング(22)はバルセロナ、同DFデリフト(20)はユベントスへステップアップした。PSVでも昨季リーグ戦17ゴールのメキシコ代表FWロサノ(24)が、昨季イタリア2位の名門・ナポリに移籍。堂安はその後釜として期待されている。

フローニンゲンからPSVへの移籍は、元オランダ代表FWロッベンと同じ道。ロッベンはその後、チェルシー、Rマドリード、バイエルンとビッグクラブを渡り歩いている。

一方、堂安は昨季後半にクラブ、代表で結果が出なかったことを受け止め、ビッグクラブでプレーするためには爆発的な成長が必要となることを強く認識していた。6月に行ったインタビューでは、今夏の移籍に向けて「この半年間で当たった壁は、成長のため。ベンチ外かもしれない、というところでやりたい」と話していた。当然、PSVではチーム内競争は激化する。しかしここで一皮むけて結果を残すことができれば、次の段階として「一番の夢」と語るCL優勝を狙うクラブへ、“戦力”として迎えられる移籍も視野に入ってくる。

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