【25年目の大阪ダービー 因縁の歴史 キーマン編】宇佐美貴史「僕が勝たせたい」

G大阪に復帰した元日本代表FW宇佐美貴史(27)が28日の大阪ダービー・C大阪戦(ヤンマー)に向け、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。今夏、計5年間にわたったドイツ挑戦に一区切りをつけたが、復帰後はここまで公式戦10試合1得点。リーグ12位に低迷する古巣を立て直す活躍はできていない。自身5年ぶりの大阪ダービーに向け、自身の現状やC大阪へのライバル心を語った。

―今夏の復帰後、状態がなかなか上がらないように見えていたが、14日の鳥栖戦では無得点もシュート6本。復調の手応えは。

「合流してから(調子が)上がり切っていなかった。左足指に負傷もあって。痛み止めを飲みながらやっていた。それも治まり、状態を上げるために取り組んできた成果が少し出てきたかな、と思うところもあった」

―そんな中で大阪ダービーを迎える。イメージは。

「僕らより先に、外の人間が荒っぽくなる。それに感化される感じです。でも中の選手は意外と冷静かな。現状、彼ら(C大阪)の方が順位が上ですし、胸を借りるつもりでやるしかない」

―C大阪と言えば。

「なんやろな…。ライバルじゃないですか。近くにいて、お互い育成時代から知っている選手が多い。そのころからC大阪には負けられへんという意識を持って戦えと言われてきた。ライバル意識をまず一番最初に植え付けられた相手です」

―中でも同じ育成出身のFW柿谷曜一朗は、時に比較されてきた存在だ。

「天才でしょ。今まで対戦したことないんです。ほんまに才能って感じ。僕はそういうタイプじゃないから。もちろん曜一朗君も努力を積み重ねてきた選手だと思います。でも、この人ほんまに天才やなと思ったのは、ダブルヒールみたいなので点をとった時(※)。相手DFのリアクションを見たら『はあ?』みたいな顔で、決められた後も、ずっと曜一朗くんを目で追いかけていて。一瞬であれを思いついて実行することは、抜きんでたセンスがある人しかできない」

―自身との違いは。

「僕は天才じゃない。少ないセンスで何とか練習して、がんばってプロになれた感じやから。もともと100%の中で2%くらいなもの(才能)を磨いて磨いて。でもあの人は(才能が)もともと80、90%ぐらいある感じ。対戦は楽しみです」

―ダービーは楽しみなのか、プレッシャーなのか。

「この順位にいると、目の前の一試合一試合がターニングポイント。勝つと連勝で自信はつく。ファン・サポーターと選手が、一体感を持っていい時間を過ごせると思う。僕はG大阪を象徴する選手になりたい。結果とプレーのクオリティーで、そういう選手になりたい。チームが勝てればいいとは思っているけど、僕が勝たせたい。そういう気持ちは大事にして戦いたい」

(※)柿谷が16年3月12日のJ2群馬戦で見せたゴール。左クロスの折り返しをゴール前で後ろ向きに受け、右かかとで左足に送って左かかとでゴールに蹴り込んだ。

◆宇佐美 貴史(うさみ・たかし)1992年5月6日、京都・長岡京市生まれ。27歳。G大阪ユース在籍中の09年、高校2年でトップチームに昇格。11年にドイツ1部バイエルン、12年に同ホッフェンハイムに期限付き移籍。13年にG大阪に復帰し、14年の3冠、15年の天皇杯優勝に貢献する。16年にドイツ1部アウクスブルクへ完全移籍し、17年に同2部デュッセルドルフに期限付き移籍。今夏、G大阪に復帰した。J1通算127試合46得点。日本代表通算27試合3得点。

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