【G大阪】パトリック「日本人はこういう状況でも模範」…コロナでJ助っ人が抱える不安・葛藤

新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるう中、Jリーグは延期が続く。5月9日再開を目指すJ1には19か国95人の外国人選手が所属。現状、選手の感染者は報告されておらず、不安や葛藤を抱えながらも秩序ある環境下でトレーニングを続けている。“助っ人外国人”たちに聞いた、Jリーグ、そして日本とは―。

世界の各国リーグは軒並み中断し、特に欧州では選手たちの感染も頻発。Jリーグでは現時点では選手感染の報告はなく、5月9日の再開(J1)に向けて準備を進めている。

今季でJリーグ計8シーズン目を迎えるG大阪のブラジル人FWパトリックは、「日本人は準備ができていると感じます。病気がすごくはやってからではなく、その前から手洗い、うがい、マスクと予防を始めていた。自分自身で防ぐ。さらに他人にうつさない、という行動をとっていた」と語る。日本国籍取得を目指し「日本以外の海外でサッカーをすることは考えられない」と語り、日本語の勉強にも積極的に励む“日本愛”の持ち主。ブラジルではうがいや手洗いを学校で指導された経験はなく、特にうがいの習慣はなかった。しかし現在は自身はもちろん、小学校に通う息子のフェリペ君にも教え、「彼も責任感を持って取り組んでいる」という。知人と会えば必ず握手をしていたが、「肘と肘のタッチにしている。お互いに理解し合ってね。どういうことが予防につながるか、みんなに伝えられれば」とうなずく。

「日本は教育がしっかりしていて、こういう状況でも模範になる行動がとれている。日本のいいところがすごく好きで、日本人に近づきたい」と語るパトリック。「日本にはみんなで協力して、何かを成し遂げよう、という文化があると思う。騒動が収まってJリーグが再開できれば、みんなに元気や幸せな気分を与えられるはず。その日のためにがんばりたいです」。自身が日本で学んだ思いやりの文化を胸に、再開の日を待ちわびていた。

◆パトリック(アンデルソン・パトリック・アギアル・オリベイラ)1987年10月26日、ブラジル・マカパ生まれ。32歳。バスコ・ダ・ガマ、アトレチコ・ゴイアニエンセなどを経て2013年に川崎に加入。その後、甲府、フォルタレザでプレーし、14年にG大阪に加入。17年途中に広島へ移籍し、18年は20得点しJ1得点ランク2位。19年途中にG大阪へ復帰。J1通算169試合59得点。14年Jリーグベストイレブン。189センチ、82キロ。家族は妻と息子。

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