日本代表、出場16名の現在 ドイツ代表と初対戦の2004年メンバーは?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、JFA(日本サッカー協会)は過去の印象的な試合を動画配信サービスで無料配信している。24日に配信されるのは、2004年12月16日に開催されたキリンチャレンジカップ2004のドイツ代表戦。日本代表がドイツ代表と初めて対戦したゲームだ(注:西ドイツ時代を除く)。

ドイツ代表は、GKオリバー・カーンやMFミヒャエル・バラックらベストメンバーで来日。ヴィッセル神戸に在籍したFWルーカス・ポドルスキも先発出場を果たした。日本代表は豪華メンバーを相手に苦戦を強いられ、0-3で敗戦。ジーコ監督に率いられた選手たちは世界の厳しさを痛感することとなったが、これを糧にして、翌年にはドイツワールドカップの出場権を獲得した。

あれから16年。当時の出場メンバーは今、何をしているのか。16名の現在を当時の背番号とともに紹介する。

■GK 1 楢﨑正剛
(名古屋グランパス/当時28歳、現在44歳)

ガンバ大阪MFの遠藤保仁と共にJ1最多出場記録(631試合)を持つ。日本代表での川口能活氏(現・日本サッカー協会ナショナルトレセンコーチ)との正GK争いは今も語り草だ。2019年1月に引退発表。現在は名古屋グランパスで、『クラブスペシャルフェロー(CSF)』として活動している。

■DF 2 田中誠
(ジュビロ磐田/当時29歳、現在44歳)

宮本恒靖氏、中澤佑二氏、松田直樹氏がケガや体調不良で欠場したため、ドイツ戦で代表通算14試合目となる出場を果たした。2011年の現役引退後、2015年に古巣のジュビロ磐田でUー18監督に就任。2017年から昨年まではトップチームのコーチを務めた。今年からスカウト担当として活躍する。

■DF 25 茶野隆行
(ジェフユナイテッド千葉/当時28歳、現在43歳)

代表デビューは田中誠氏と同じ、2004年4月25日のハンガリー戦。センターバックのコンビを組んだのは、ドイツ戦が3試合目のことだった。2012年に引退を発表すると、古巣・ジュビロ磐田のクラブスタッフを経て、アルビレックス新潟や新潟医療福祉大学男子サッカー部のコーチなどを歴任した。

■DF 14 三都主アレサンドロ
(浦和レッズ/当時27歳、現在42歳)

ブラジル・パラナ州マリンガ出身。16歳のときにサッカー留学生として来日し、2001年に日本国籍を取得。翌年3月のウクライナ戦で代表デビューを果たし、2002年と2006年のW杯に出場した。代表通算82試合出場7得点。2016年限りで引退すると、故郷のマリンガを拠点に活動中。今年1月には、マリンガと姉妹都市の兵庫県加古川市でサッカー教室を開いている。

■DF 21 加地亮
(FC東京/当時24歳、現在40歳)

FC東京をはじめ、Jリーグでは5クラブでプレー。2014年にはMLS(メジャー・リーグ・サッカー)のチーヴァス・USAにも所属した。ジーコ監督に重宝され、2006年のドイツW杯にも出場。2017年の現役引退後は、夫人がオーナーを務める古民家カフェ「CAZI CAFE」を手伝うかたわら、サッカー解説者としても活動する。

■MF 16 藤田俊哉
(ジュビロ磐田/当時33歳、現在48歳)

2001年のJリーグMVPで、中山雅史、名波浩氏らと共にジュビロ磐田の黄金時代を築いた。1995年2月に代表デビューを果たし、ドイツ戦が通算23試合目。翌年1月のカザフスタン戦が代表ラストマッチだった。2012年の引退後は、VVVフェンロ(オランダ)でコーチとして活躍したのち、リーズ(イングランド)の強化スタッフ入り。2018年9月からJFAの『欧州駐在強化部員』として代表チームを支えている。

■MF 15 福西崇史
(ジュビロ磐田/当時28歳、現在43歳)

高校時代はFWだったが、ジュビロ磐田入団後にハンス・オフト監督の勧めでボランチに転向。日本代表デビューを果たし、2002年と2006年のW杯に出場した。2009年1月の現役引退後、主にサッカー解説者として活動。人気サッカーゲーム『FIFA』の解説も担当する。2018年8月には南葛SCに選手として入団。現役復帰を果たしたあと監督に就任するも、契約満了に伴い昨年11月に退任した。

■MF 8 小笠原満男
(鹿島アントラーズ/当時25歳、現在41歳)

1998年に大船渡高校から鹿島アントラーズに入団。以降、17個の主要タイトルを獲得し、“常勝鹿島”のシンボルとなった。日本代表でも55試合に出場して7得点を記録。ドイツ戦は通算28試合目の出場だった。2018シーズン限りで引退したあとは、鹿島のアカデミー・アドバイザーに就任。子どもたちの育成に尽力している。

■MF 29 稲本潤一
(ウェスト・ブロムウィッチ/当時25歳、現在40歳)

17歳でJリーグデビュー、21歳でアーセナル移籍という輝かしいキャリアを持つ。9年半に及ぶ海外生活では7つのクラブを渡り歩いた。2010年に日本復帰を果たし、プロ24年目を迎える今年は昨年同様、J3のSC相模原に所属する。16年前のドイツ戦は、本来キャプテンを務める宮本恒靖氏がケガで欠場したため、腕章を巻いてプレーした。

■FW 11 鈴木隆行
(鹿島アントラーズ/当時28歳、現在43歳)

現役時代には日本だけでなく、ベルギー、セルビア、アメリカでもプレー。2002年の日韓ワールドカップでは、初戦のベルギー戦で値千金の同点ゴールを決めた。2015年の引退後は、解説者や指導者として活躍。2018年5月にはJFAの公認S級コーチに認定された。

■FW 20 高原直泰
(ハンブルガーSV/当時25歳、現在40歳)

1979年生まれのいわゆる“黄金世代”の一人で、ボカ・ジュニオルスやハンブルガーSVでも活躍。2002年にはJリーグの得点王とMVPに輝いている。日本代表の通算成績は57試合23得点。現在も現役続行中で、代表取締役を務める沖縄SV(九州サッカーリーグ)でプレー。国産コーヒーの栽培プロジェクトにも挑戦中だ。

<途中出場>
■DF 17 三浦淳宏
(現:淳寛)
(東京ヴェルディ/当時30歳、現在45歳)

現役時代は「アツ」の愛称で親しまれ、無回転やブレ球など、多彩な球種を蹴り分ける名キッカーとして知られた。1999年6月のペルー戦で代表デビュー。このドイツ戦は藤田氏との交代で出場し、23キャップ目を刻んだ。2011年4月に現役引退を発表。その後はサッカー解説者として活動していたが、2018年2月にヴィッセル神戸のスポーツダイレクターに就任した。ちなみに「三浦淳宏」は本名、及び選手時代の登録名で、引退後は「三浦淳寛」の名義で活動する。

■MF 4 遠藤保仁
(ガンバ大阪/当時24歳、現在40歳)

今年のJリーグ開幕戦に出場し、楢﨑氏が持っていたJ1史上最多出場記録に並んだ。21年連続での開幕戦戦先発出場は単独トップの記録になる。代表デビューは2002年11月のアルゼンチン戦。稲本との交代で出場したこのドイツ戦は、通算28試合目の代表戦だった。代表通算152試合出場は歴代最多記録で、2位の井原正巳氏、長友佑都に30試合の差をつけている。

■MF 24 西紀寛
(ジュビロ磐田/当時24歳、現在39歳)

現役時代はジュビロや磐田や東京ヴェルディでプレー。2016年には高原が代表を務める沖縄SVに所属した。同年限りで引退すると、古巣・磐田の普及スタッフに就任。2018年には東京都社会人リーグに所属するシティF.Cの総監督に就任した。今年1月に行われた巻誠一郎氏の引退試合にも参加している。

■FW 28 玉田圭司
(柏レイソル/当時24歳、現在40歳)

今月11日に40歳の誕生日を迎えたが、今も現役を続行中。V・ファーレン長崎でプロ22年目のシーズンを迎えている。日本代表デビューは2004年3月のシンガボール戦。このドイツ戦は代表通算18試合目の出場だった。2006年のドイツワールドカップでは、ブラジル相手に先制点をマーク。ブラジルA代表相手にゴールを決めた5人の日本人選手のうちの一人である。
■FW 27 大久保嘉人
(セレッソ大阪/当時22歳、現在37歳)

日本を代表するストライカーで、J1得点王「3回」、J1通算得点数「185点」は、いずれも歴代最多記録。2020シーズンから東京ヴェルディに所属する。代表では60試合に出場して6得点。高原との交代で出場したドイツ戦は通算17試合目の出場だった。2005年1月からマジョルカへ期限付き移籍することが決まっており、ドイツ戦は出発前最後のゲームだった。

リンク元

Share Button