「点を取っても、動きが違うと…」大黒将志が語る海外移籍と恩師ザッケローニ【インタビュー】

「イタリアの監督の下でプレーし、本当に勉強になった」

過去の名勝負を放送する「DAZN」の「Re-Live」で現在配信中の、ガンバ大阪が初タイトルを獲得した2005年J1リーグ最終戦(G大阪vs川崎フロンターレ)で解説を務めた大黒将志。ジュニアから在籍していたG大阪に初タイトルをもたらし、翌年から活躍の場を海外に移した。

フランスのグルノーブル、イタリアのトリノと欧州の舞台で戦ったストライカーに、海外生活を振り返ってもらった。

――海外でプレーするうえで日本と違いを感じた点は?

「まずはピッチですね。向こうはぐにょぐにょしていて、土壌の違いを感じました。それと、日本では上手い選手が良い選手というイメージですけど、海外では戦う部分とか、結果を出せることだが重視されていました。練習はダメでも試合では良いというプレーヤーも多くて、より試合を、結果を意識するようになりました。フランスには長くいるつもりもなかったし、早く移籍できるようにという想いで頑張って、何とか結果も出せて半年でイタリアに移籍できました」

――当時のトリノを率いていたのは、後に日本代表を指揮するアルベルト・ザッケローニ監督でした。

「イタリアの監督の下でプレーし、本当に勉強になった。凄く細かい点にも気を配り、1週間ほぼ戦術練習しかしないことも。守備のポジショニングは特に細かくて、1メートルどころか50センチくらいの細かいポジションの修正も指摘されました。攻撃の時も動きがあって、それが衝撃でした。3トップだったので、センターフォワードに入ったらどうする、ウイングの場合はどうする、と決まり事が多かった。たとえ紅白戦で点を決めても、『動きが違う』『そうじゃない』と言われたりする。『点が入っているんだからいいんじゃない?』とも思いましたよ」

――コミュニケーションは上手く取れていた?

「とても紳士的で、僕に対しても親切にしてくれた。個別にアドバイスもしてくれましたし、試合に出られない時も、その理由を丁寧に説明してくれた。例えばチーム状況が良くないから、良いプレーしているけど出せないとか」

チームメイトや対戦相手で参考になった選手は?

――元イタリア代表FWのマルコ・ディ・ヴァイオ選手とも親交があったとか。

「(トリノの同僚だったロベルト・)ステッローネの友人で、一緒にモナコでプレーしていたディ・ヴァイオさんに会いに行ったんです。ステッローネがカジノに行っている時に、なぜか僕とディ・ヴァイオ夫妻の3人でモナコ城に行くというツアーが開催されました。城を案内してくれて、めちゃくちゃいい人でした」

――イタリアの生活に不便はなかった?

「フランス語は発音が難しすぎて諦めましたが、イタリア語は僕に合っていた。ステッローネ“先生”が毎日家に呼んでくれて、ご飯も作ってくれて、すっかり溶け込めましたね」

――チームメイトや対戦相手で参考になった選手は?

「そのステッローネは、イタリア代表経験はなかったんですが、めちゃくちゃ上手かった。2年目にはウルグアイ代表の(アルバロ・)レコバやイタリア代表の(ダビド・)ディ・ミケーレが入ってきて、練習から参考にしていました」

「対戦相手では、インテルには(ズラタン・)イブラヒモビッチやアドリアーノ、エルナン・クレスポが、ミランにはフィリッポ・インザーギがいて、そういった選手と同じピッチでプレーできたのはとても参考になりました。ボールを持ってない時の動きが本当に巧い。ガンバの時は、自由にやっていたんで、海外に行って戦術とかポジショニングはとても勉強になりましたね。日本に戻ってきてから点を取り続けられたのは、その経験のおかげだと思います」

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