ガンバ大阪、昌子源の加入で総合力がアップ。王座奪還へ、カギを握るのは?【2020年J1補強診断】

2020年のJリーグが開幕する。新シーズンに向けJ1各クラブはどのような補強を行ったのだろうか。今回は、昨季J1で7位という成績に終わったガンバ大阪を取り上げる。

充実補強で高まる期待感

2019シーズンのガンバ大阪は、スタートダッシュに失敗していた。開幕節の横浜F・マリノス戦を2-3で落とすと、第5節から第11節までの7試合で連続未勝利。順位は一時16位にまで転落していた。

しかし、転機となったのは第12節のセレッソ大阪戦であった。宮本恒靖監督はダービーという大一番で、3-3-2-2システムを採用したのである。すると、この試合でG大阪は1-0でライバルチームに勝利。リーグ戦では実に2ヶ月ぶりとなる勝ち点3を得たのだ。

その一戦を経て、G大阪は変化を遂げた。7月以降のリーグ戦で敗れたのはわずか4回。引き分けが多かったのも事実だが、「簡単には負けない」チームになった。最終的には3連勝で2019シーズンを終え、一時は降格圏に沈んだ順位も7位にまで回復させている。

迎える2020シーズン。G大阪のベースは、あのC大阪戦で用いた3-3-2-2になるだろう。昨季も後半戦は同システムを採用していたが、今季はその強度をスタートから発揮し、上位進出を目指したいところである。

さて、今冬の移籍市場の動きだが、G大阪にとって満足のいくものになったのではないだろうか。昨季の主力はほとんど残留。さらにJ1での実績十分な選手を何名か加えており、新シーズンに向け期待感が持てるスカッドを作成できたと言えるだろう。

サガン鳥栖からはFW小野裕二が完全移籍で加入。積極的な仕掛けからゴール、アシストの両方で貢献できる同選手は、即戦力にはなれずとも、ジョーカー的存在としては十分に頼もしい。新チームでは2トップの一角としてはもちろんのこと、トップ下2枚の位置でも起用することが可能なはず。大きな戦力補強になったと言えるだろう。

また、前線にはFWパトリックがサンフレッチェ広島から完全移籍で“再加入”。2トップはアデミウソンと宇佐美貴史が不動になるはずだが、同選手も控えに置くにはもったいない存在だ。さらにパトリックの他にもFW渡邉千真もおり、前線の層は申し分ないと見ていいだろう。

ジュビロ磐田からはDF新里亮が期限付きで加入。こちらも即戦力にはならないはずだが、バックアッパーとしては申し分ない補強になった。さらにDFラインにはDFオ・ジェソクがFC東京から復帰。左右両サイドを難なくこなすことができる同選手は、G大阪においてウィングバックとしてもセンターバックとしても起用できる。長いシーズンを戦う上で、幅広いポジションをこなすことができるプレーヤーの復帰は大きいだろう。

GK東口順昭のバックアッパーにはGK一森純とGK石川慧を補強。GK谷晃生やGK林瑞輝の抜けた穴を的確に埋めている。また、DFタビナス・ジェファーソンやMF市丸瑞希といった若手選手の成長も楽しみなところである。

そして、なんと言っても今冬の目玉補強はDF昌子源だ。日本代表としてロシアワールドカップ出場を果たしたその実力に疑いの余地はなく、即戦力として十分に数えられる選手だ。DF三浦弦太、DFキム・ヨングォンと組むことが予想される3バックは、Jリーグでも屈指の強度を誇るだろう。昨季守備面の課題が浮き彫りとなったG大阪からしてみれば、これ以上ない戦力補強となった。

宇佐美、アデミウソン、MF小野瀬康介、MF井手口陽介、昌子…。G大阪が揃える人材は豪華だと言えるだろう。メンバーだけを見れば、リーグ優勝も十分に狙える。サポーターの期待感も大きいはずだ。

しかし、やはりカギを握るのは宮本監督だろう。長いシーズンを戦う上で、チーム戦術というものは確実に対策される。とくに3-3-2-2というシステムが固まりつつあるG大阪ならなおさらだ。そこを上回るだけの策を用意できるのか。2020シーズンはそうした部分も重要になる。そこを乗り越えた時、G大阪はより高みへ上ることができるだろう。

補強・総合力診断

GK:一森純[ファジアーノ岡山]
GK:石川慧[サガン鳥栖]
GK:猿田遥己[柏レイソル/期限付き移籍]
DF:オ・ジェソク[FC東京/期限付き移籍期間満了]
DF:昌子源[トゥールーズ(フランス)]
DF:タビナス・ジェファーソン[川崎フロンターレ/期限付き移籍]
DF:新里亮[ジュビロ磐田/期限付き移籍]
DF:黒川圭介[関西大学]
DF:シン・ウォノ[ボイン高等学校(韓国)]
MF:市丸瑞希[FC岐阜/期限付き移籍期間満了]
MF:山本悠樹[関西学院大学]
FW:パトリック[サンフレッチェ広島/期限付き移籍期間満了→完全移籍]
FW:小野裕二[サガン鳥栖]
FW:川崎修平[ガンバ大阪ユース]
FW:塚元大[ガンバ大阪ユース]
FW:唐山翔自[ガンバ大阪ユース]

OUT
GK:田尻健[ガイナーレ鳥取]
GK:谷晃生[湘南ベルマーレ/期限付き移籍]
GK:鈴木椋大[ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍期間満了→完全移籍]
GK:林瑞輝[レノファ山口/期限付き移籍]
DF:青山直晃[鹿児島ユナイテッドFC]
DF:野田裕喜[モンテディオ山形/期限付き移籍期間満了→完全移籍]
DF:ペ・スヨン[未定]
MF:高宇洋[レノファ山口/期限付き移籍]
MF:高江麗央[FC町田ゼルビア/期限付き移籍]
MF:マルケル・スサエタ[メルボルン・シティFC(オーストラリア)]
MF:ダビド・コンチャ[レアル・ソシエダ(スペイン)/期限付き移籍期間満了]
MF:米倉恒貴[ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍期間満了→完全移籍]
MF:鈴木雄斗[川崎フロンターレ/期限付き移籍期間満了]
MF:藤本淳吾[未定]
FW:呉屋大翔[柏レイソル]
FW:一美和成[横浜FC/期限付き移籍]
FW:高木彰人[松本山雅FC/期限付き移籍]

補強評価:B

不安要素だった最終ラインに昌子という屈指の実力者が加わったのは大きい。三浦、キム・ヨングォンと形成されるであろう3バックはJリーグでもトップレベルの強度を誇るはずだ。また、小野や新里はバックアップに回ることが濃厚だが、彼らもJ1での実績はまずまず。控えの質も高まったと言えるだろう。オ・ジェソクやパトリックの復帰組も頼りとなることは間違いなく、おおむね充実な冬を過ごしたと言えるのではないか。

総合評価:B

宇佐美、アデミウソン、小野瀬ら昨季の主力選手は健在で、今季も彼らがチームの主軸を担うだろう。攻撃力は抜群で、守備陣も昌子が加わったことによりレベルアップを果たすこと間違いなしだ。しかし、メンバーだけを見れば上位進出は十分可能だが、3-3-2-2システムが長いシーズンの中、どこまで高い強度を誇れるかは未知数。宮本監督の手腕が重要なカギとなりそうだ。

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