遠藤保仁いなかったG大阪完敗…守備決定的ミス多く

<明治安田生命J1:G大阪1-3東京>◇29日◇第13節◇パナスタ

ガンバ大阪がFC東京に完敗し、試合後は選手がスタンドに向かってあいさつをしたが、4967人のサポーターは温かい拍手を送っていた。

前半はG大阪が主導権を握り、後半は東京に握られ、両者が真正面からぶつかる白熱の試合になった。だが、G大阪の守備に決定的なミスが多く出たため、スコアは2点差がついた。

それより気になったのは、前節23日の鹿島アントラーズ戦に続いて、“レジェンド”ことMF遠藤保仁(40)が、2試合連続でベンチ外だったことだ。

遠藤のベンチ外自体が、J1リーグ戦では9年ぶり。2試合連続になると10年ぶりになる。遠藤は試合に出て当たり前の選手。だからJ1通算637試合で歴代1位の出場記録を更新し続けている。最近はベンチスタートで出番なしというパターンも増えていたが、ベンチ外はやはり大きな出来事だ。

宮本恒靖監督(43)は28日の練習後、オンライン会見で、鹿島戦での遠藤のベンチ外について「試合に勝つためのメンバー構成で、この間(鹿島戦)は、ああいったメンバーになった」と説明していた。

もちろん体調不良や故障の可能性も排除できないが、仮に監督のコメント通りだとすると、純粋に若手との競争でベンチスタートの7人にも入れなかったことになる。

今季は交代枠5人ルールが採用され、どのチームも攻撃的な選手、しかもJ2降格がないから、若手を成長させるためにもどんどん投入してくる。このパターンは、宮本監督も例外ではない。

ただ、この日の試合もMF矢島や井手口、小野瀬、FW宇佐美らが愚直に走り続けたが、どこか一本調子に見える時間帯もあった。やはり遠藤の緩急自在のパス、特に浮き球パス、正確無比な縦パス、ワンツーパス、スルーパスがあれば、局面を打開できたと思うところはあった。

選手起用に関しては、まさに監督の専権事項なので、外野のコメントなど何も意味を持たない。ただ、勝負事は負けたり、結果が出ないことが続けば、何らかの変化が起きやすいのも事実。今のG大阪では特定の選手にミスが偏っている傾向も出ている。ここ3試合で1分け2敗と急失速している。

次節9月5日のベガルタ仙台戦(ユアスタ)で、遠藤が3試合ぶりの出場(ベンチ入り)を果たすのか。本人は、春先に「今季はどの監督も、若手を使う傾向が強くなるでしょうね」と話しており、この事態もある程度は予想はしていただろう。

ただ「目の前の試合に出ることが目標」と言い続けてきた男にとって、悔しくないはずがない。Jリーグ記録を更新する23年連続得点記録もかかった遠藤の今季、このままでは終わらないはずだ。

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