G大阪vs仙台で2つのナイスジャッジ。仙台のPKはアデミウソンのハンドではないが…

気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ#16」がDAZN(ダゾーン)で配信中だ。今回は、明治安田生命J1リーグ第14節でガンバ大阪がベガルタ仙台に4-1で勝利した一戦から、G大阪がPKをとられた39分のシーンなどを取り上げる。

番組には、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加え、東京都サッカー協会審判委員長の牧野明久氏が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。

小野瀬の手にボールが当たった
今回議論されているのは、仙台vsG大阪の39分の場面。仙台の右CKから浜崎拓磨がボックス内にボールを供給すると、アレクサンドレ・ゲデスと小野瀬康介が競り合い、流れ弾がアデミウソンの肩付近に当たる。そこからルーズになったボールを追っているところで笛が鳴った。

そして、ここではG大阪の選手にハンドがあったとして仙台がPKを獲得する。中継の中では最初に「アデミウソンのハンド」と紹介されており、SNS上で疑問が噴出した。

これについて牧野氏は「2020-21のルール改正の中で競技規則の中でも(ハンドに該当する身体の部位が)図解で示されるようになりました。脇から下の位置がハンドと図解で示されていますので、肩はハンドの反則にはならない。なので、アデミウソン選手自体はハンドではない」と簡潔に結論を述べる。

では、アデミウソンがハンドではないならば、笛を吹いた飯田淳平主審はどのプレーでPKと判断したのだろうか。これについても牧野氏が説明している。

「その前の小野瀬選手が競り合う時に手を上げて行きましたが、腕を押さえながらヘディングをしに行っているというところ。で、小野瀬選手の手とボール、そこでハンドが起きてるというところでPKにしたんだと思います」

映像であれば確認することができるものの、現場では目視することがかなり困難だった今回のジャッジ。だからこそSNS上では議論が巻き起こったが、正確な判定を下した飯田主審に対して、原副理事長は「この前、褒めておいたのが良かったのかもね。飯田主審、(審判として通算)200試合のお祝いでね。本当にこれはよく見てた。すごい。素晴らしいです」と賛辞を寄せた。

支え手はハンドにならない

番組では、この試合において39分の場面以外にも取り上げられたシーンがある。72分に仙台の右サイドからのクロスが流れたところを拾った西村拓真がボックス左から折り返す。すると、スライディングでブロックしに行った小野瀬の手に当たったが、ノーハンドの判定となった。

なお、抗議する仙台の選手たちに対して飯田主審は、スライディング時の支え手に該当するため、ハンドの反則には当たらないとジェスチャー。とはいえ、小野瀬の手は身体が完全に地面に倒れた後もかなり伸びており、手のひらの向きも変化していた。

映像を確認した平畠さんは「支えてる側の手ですけど、『支えてる』に使ってる動きじゃないように見えます」との意見を口にする。一方で、原副理事長は「意図的というよりもスライディングをして(身体が)流れていくのを支える手。手のひら返しぐらいはやっぱりする。これをダメと言ったら『支え手も結局ダメじゃん』という話になってしまう」と、反対の主張をする。

見解は割れたが、牧野氏によれば支え手にボールが当たった場合は問答無用でノーファウルになるようだ。

「2019-20のルール改正で、スライディングなどの下の方にある手は支え手であり、その手にボールが当たった場合はハンドではない、となっている。下の方にある手をどこまで広げて、どこまで手のひらが、というところまでは競技規則に書いていない」

主審の裁量に寄らず、ノーハンドと結論付けられる今回のプレー。牧野氏が改めて「手のひらが一瞬上に向いたのではないかと感じの話に今はなっていますが、そういうところまでは競技規則の中には言及されてない」と強調する。

とはいえ、今回のケースについて原副理事長は「これだけのスピードで(スライディングに)行って支え手があって、これで(ボールが)返ってきて『すぐにどけろ』とか、それを『当たらないようにしろ』って無理だと思う」とあくまで不可抗力だったのではないかと主張した。

いずれにしろ、正確にルールブックを遵守した今回の判定。39分のハンドの見極めも含め、経験豊富な飯田主審のナイスジャッジが光った試合と言えそうだ。

今回のジャッジリプレイでは、このほかにも湘南ベルマーレvsヴィッセル神戸の62分に齊藤未月がファウルした場面、清水エスパルスvs柏レイソルの85分に古賀太陽がハンドした場面についても議論されている。

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