「俺がやらな、俺がやらな」。待望のガンバ初勝利は、悩み、苦しみ抜いた宇佐美貴史の一発で

「今日ひとつ、少しだけ報われたと思います」

敵地でのサガン鳥栖戦を迎える前のガンバ大阪の戦績は、4試合を消化して2分2敗、0得点・2失点。“未勝利”で“無得点”と難しい状況にあった。

それでも鳥栖戦は、リーグのスタンディングでは上位に位置する難敵を相手に1-0の完封勝利。勝点3をもたらしたのは宇佐美貴史の見事なフィニッシュだった。

68分、左サイドの福田湧矢からミドルパスが届く。これを完璧なトラップで収めると、コースを突いた正確な一撃を逆サイドのネットに突き刺す。シュート技術に優れる宇佐美らしい鮮やかなゴールだった。

殊勲のエースは自身のゴールシーンをこう振り返る。

「湧矢の練習とか試合でのプレーを見て、抜き切らずにクロスを上げるっていう予感はあった。あの瞬間は湧矢がそれをチョイスしてくれるように、しっかり選択肢になれるポジションに入っていくことを心掛けました。低くて止めやすいボールをくれたので、振り切るだけでした。湧矢に感謝したいです」

喉から手が出るほど欲しかったゴールだ。

「俺がやらな、俺がやらな、と。それで頭がいっぱいになるぐらい、他のことも考えられないぐらい、そればっかり考えていました。そういうなかでも、誰か一発、決めてくれという想いはありました。それが自分であれば一番、幸せなこと。自分が決めないとっていうのと、誰でもいいから一発決めてくれっていう」

宮本恒靖監督は宇佐美について「まだまだ本調子ではないと思っています。もっと相手にとって危険なプレー、味方を鼓舞するようなプレーを期待しています」と話したうえで、「彼が取ると、チームに勢いが出る。シンプルに良かったと思います」と評した。

待望の今季初勝利は、自身のゴールで手繰り寄せる。「今日ひとつ、少しだけ報われたと思います」。この1点で、チームも、宇佐美も乗っていけるか。

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