【浦和】天国から地獄へ、世紀のオウンゴールから一瞬のスキ… スポーツ報知 11月29日(日)7時5分配信

◆Jリーグチャンピオンシップ ▽準決勝 浦和1―3G大阪(28日・埼玉)

年間3位のG大阪が浦和に3―1で勝利し、チャンピオンシップ(CS)決勝進出を決めた。1―1の同点でもつれ込んだ延長後半13分、この日が誕生日 だった日本代表DF藤春広輝(27)が決勝ゴール。さらにロスタイムにも追加点を奪い、同2位の浦和を破り決勝への切符をつかんだ。浦和は2年連続でG大 阪に優勝への道を阻まれた。

勝利の女神は、またも浦和を突き放した。丹羽のバックパスに“世紀のオウンゴール”を期待したイレブンに数十秒後、絶望が訪れた。チーム最年長36歳の MF平川でさえ「あ、入るのかな。こういうのが入っちゃうのかなと一瞬思った」。左ポストで跳ね返ると、わずかに生じた心の隙を突かれた。MF柏木は「ア クシデントみたいなバックパスで、みんなの気が緩んだ瞬間にやられてしまった」と唇をかんだ。

試合を通して主導権を握り続け、シュート23本と攻め立てた。DF森脇は「何で負けたのか、説明しろと言われてもできない」とうめいたが、昨季もG大阪 に逆転優勝を許したペトロヴィッチ監督(58)の頭には、ある指導者の格言が残っている。「監督として必要なものの一つは運だ」。就任4年目も悲運に泣 き、「これほどまでに運に味方されないとは」と運命を呪うしかなかった。

昨季の悔しさを糧に歩んできた1年。雪辱を果たすことはかなわなかったが、DF槙野は「ガンバや広島は勝ちきるメンタリティーがある。いいサッカーをし たのに負けたと思っていては成長がない」と勝負弱さと向き合う覚悟を示した。頂点への“わずかな差”を埋めるための挑戦が、再び始まる。

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