G大阪あわやOGから決勝進出弾、年間3位下克上だ 日刊スポーツ 11月29日(日)8時8分配信

<チャンピオンシップ:浦和1-3G大阪>◇準決勝◇28日◇埼玉

G大阪(年間勝ち点3位)が浦和(第1ステージ優勝、年間勝ち点2位)を延長の末、下し、チャンピオンシップ(CS)決勝へ進出した。延長後半13分、 27歳の誕生日のDF藤春広輝が勝ち越し弾。その15秒前に、DF丹羽大輝(29)のバックパスがあわやオウンゴールになるピンチからカウンターが決まっ た。G大阪は決勝で広島(年間勝ち点1位、第2ステージ優勝)と激突。ホームアンドアウェー方式の決勝は12月2日に万博、5日にEスタで行われる。

誰もが息をのむ出来事だった。延長後半13分に藤春の決勝弾が生まれる15秒前だった。ボールをキープしていた丹羽が相手の重圧に浮き球でバックパス。 ボールは前進守備だったGK東口の頭上を越え、無人のゴールに飛んでいった。しかし、運良く左ポストを直撃。間一髪で命拾いした。

長谷川監督が「一瞬やられたと思ったが、逆にレッズの集中力をそいだのかな」と振り返る“珍プレー”から一気のカウンター。5本のパスをつなぎ、その間 に藤春が左サイドを駆け上がった。幼少の頃、母洋美さんに毎日タイムを計測してもらい、日没まで近所の公園でダッシュして鍛えた俊足でぐんぐん加速。最後はDF米倉からの右クロスを右足で合わせ、鋭い弾道でゴールへ突き刺さした。

「ヨネ(米倉)と目が合ったので振り抜いてやろうと思った」。藤春はこの日が27歳の誕生日。大体大4年のとき、22歳の誕生日は一発退場を食らった。「バースデー弾は今までなかった。ゴールまでできて良かった」と笑みがはじけた。

オウンゴールの危機を免れたところからの逆襲に、主将のMF遠藤は「入っていれば歴史に残るゴールだった」と苦笑い。GK東口は丹羽に「持ってるな」と 話しかけた。当事者の丹羽は「サッカーの歴史上ないんじゃないですか。神様がいた。紙一重のプレーだった。結果オーライ」と胸をなで下ろした。

年間勝ち点3位から決勝へ進出し、まず目標としていた来季のACL出場権を得た。次は広島との決勝。万博での第1戦まで、中3日と厳しい日程だが長谷川 監督は「今シーズンは慣れている。3連戦ぐらいなら問題ない」。遠藤も「あとはチャンピオンを目指してやっていきたい」と力強い。連覇まであと2勝。G大 阪の逆襲はまだ終わらない。

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