【J1採点&寸評】G大阪×鹿島|途中出場のふたりが絡む“石井マジック”で鹿島が勝利。G大阪はホーム開幕戦で黒星発進

二度の決定機を逃した藤本、失点に関与した今野と藤本が最低点。

【チーム採点・寸評】
G大阪 5.5
丹羽が32分に負傷交代するアクシデントに見舞われるも、井手口を投入して上手く立て直した。攻撃は迫力を欠いたものの、藤本が前後半のチャンスで決めていれば状況は違ったはず。状態が上向くまで、まだ時間を要しそうだ。

鹿島 6
好守両面で「狙いをある程度、体現できた」(西)という内容。相手を圧倒するほどの勢いはなかったものの、要所で繰り出した攻撃は鋭く、GK曽ケ端の好セーブと途中交代組(鈴木、カイオ)の活躍が光った。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
後方からのパスがズレる場面も。前半は遠藤の強烈なミドルシュートに反応。金との連係ミスからピンチを招くも、素早く飛び込んで難を逃れた。近距離からの被弾を責めるのは酷。

DF
14 米倉恒貴 5
中村にドリブルで抜かれてピンチを招く。裏を何度も突かれて警告を受けた。後半は積極的な上がりも増えたが、一方で失点場面では寄せが甘く、鈴木に決勝点を許した。

5 丹羽大輝 6
序盤は身体を投げ出す守備で相手の攻撃を阻止。押し込まれる時間が続くなか、最終ラインを統率したが、28分に赤崎と接触して右肩を負傷。担架で運ばれてピッチを退いた。

6 金 正也 5.5
金崎と赤崎の力強い突破に手を焼いた。後半には周囲の確認を怠り、GKの手前で金崎にボールを奪われかける凡ミスも。

4 藤春廣輝 5.5
不要に飛び込んで、簡単に裏を突かれる軽い守備は減点材料。後半に入ると攻撃の意識が一層強まり、正確なクロスを供給したが、最後のところで中央と合わなかった。

MF
15 今野泰幸 5
素早い出足でインターセプトを狙い、こぼれ球を何度も回収。丹羽の負傷交代後(32分)は、スーパーカップに続いてCBに回ったが、鈴木に競り負けて痛恨の失点。

7 遠藤保仁 5.5
短い距離でもパスが微妙にずれる場面があり、守備では簡単に振り切られてカウンターを招いた。鹿島の2ボランチに主導権を握られ、崩しの局面で変化をつけられず。

25 藤本淳吾 5
この日の見せ場は二度。40分の一撃はポストに弾かれ、65分のタイミングを外したシュートはGKに片手で防がれた。動き自体は光るも、勝敗を分けた決定力の欠如を厳しく評価。

19 大森晃太郎 5.5
前半は低い位置でボールを受ける形となり、相手のプレッシャーを受けた。後半は流動的に動きながら絡む回数が増え、左サイドの攻撃も徐々に活性化したが、自身の内容は物足りず。

9 アデミウソン 5.5
40分にはドリブル突破から藤本の決定機を演出し、後半にも藤本のシュートチャンスを作った。とはいえ、前を向いて仕掛ける回数がまだ少なく、周囲との連係もいまひとつ。

FW
20 長沢 駿 5.5
19分にエリア内でボールを受けるも、相手の圧力に屈してシュートまで持ち込めず。以降は徐々にボールが収まり始め、攻撃の起点となったが、エリア内で脅威になれなかった。

交代出場
MF
21 井手口陽介 5.5
丹羽の負傷を受けて、32分から急きょ出場。ボランチに入ると球際の強さを発揮し、40分には自身のプレスがカウンターの起点に。一方の攻撃では、効果的な上がりが少なかった。

FW
39 宇佐美貴史 5.5
疲れの見え始めた大森に代わって出場。ゴール前でボールを受けるも、シュートは相手にブロックされた。カイオの守備に追われる時間も長く、攻撃面での存在感は最後まで気迫。

MF
11 倉田 秋 -
劣勢の84分に投入されるも、効果的な仕掛けをできないまま時間だけが経過。短い時間のなかで精力的に動いたが、流れを変えるプレーはできなかった。

監督
長谷川健太 5
今後の連戦を見据えて、宇佐美やパトリックをベンチスタートさせたが、前半は攻撃が上手く機能せず。徐々に息を吹き返して好機も作ったが、主導権を握れないまま試合が終わった。

途中出場で決勝点に絡んだ鈴木とカイオ、好セーブのGK曽ケ端が最高点。

【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ヶ端準 6.5
藤本のシュートはタイミングを外されたが、それでも上手く重心をずらして反応。右手一本でボールを触り、辛うじてCKに逃れた。このビッグセーブが勝敗を分けたとも言える。
DF
22 西 大伍 6
何度か裏を突かれたが、粘り強く対応。積極的に上がって藤春を牽制しつつ、守備でも上手くスペースを埋めた。途中投入された宇佐美に、ほとんど仕事をさせなかった。

23 植田直通 6
サイドにピタリと付けた正確なフィードは見事。1対1の守備は安定し、中央で壁となって無失点に貢献。最後まで集中を保ち、中央の危険なエリアを埋めた。

3 昌子 源 6
前半は藤本にドリブルで突破され、あわやの場面を作られた。後半にも藤本への寄せが遅れてピンチもあったが、それ以外では安定したパフォーマンスを披露した。

16 山本脩斗 5.5
機を見て高い位置でボールを受けたが、崩し切るまでには至らず。米倉の上がりは抑え込むも、藤本との攻防では後手を踏んだ感もあり、危ないシュートを打たれた。

MF
10 柴崎 岳 6
病み上がりとは思えないほど軽快な動きを見せ、中盤で巧みにバランスを取った。攻撃で前線に顔を出す場面は多くなかったが、それでも攻守両面においてソツがなかった。

40 小笠原満男 6
攻守の切り替えが早く、的確に中央のスペースを埋めてリスクマネジメントを怠らず。G大阪の2ボランチにさほど仕事をさせず、柴崎との連係も上々だった。

25 遠藤 康 6
タイミング良く中央に走り込み、守備陣の隙間を縫ってボールを受けて攻撃の起点に。質の高い動きで、G大阪の守備陣を翻弄。後半は押し込まれる時間が増えて、存在感が薄れた。

13 中村充孝 6
米倉を翻弄した鋭いドリブルは評価に値。上半身を使ったフェイントで今野をかわして好機を作るなど、局面の技術と判断が光る。ただ、後半に入ってやや勢いが衰えた点は減点。

FW
18 赤崎秀平 5.5
開始5分に決めるも、無念のオフサイド判定。幅広く動き回りながら積極的に裏を狙い、常に相手と駆け引き。後半に入ると徐々に効果的な絡みが減り、縦への推進力も衰えた。

33 金崎夢生 6
がむしゃらにゴールへ向かう姿勢が光り、一瞬の加速度は目を見張るものがある。老獪に隙を狙いながら、「なにかやる」雰囲気を常に漂わせた。相手との激しいやり合いはご愛敬。

交代出場
MF
7 カイオ 6.5
69分に投入されると、直後の72分には力強いドリブル突破で守備網を切り裂く、最後はふわりとラストパス。鈴木の決勝点は、この打開力があってこそ生まれたものだ。

MF
34 鈴木優磨 6.5
カイオの柔らかいボールに飛び込み、今野の上から打点の高いヘディングシュートを叩き込む。押し込むだけの形だったとはいえ、終盤の勝負強さを称賛してMOMに選出した。

MF
20 三竿健斗 -
終了間際に投入。これと言った見せ場は訪れないまま試合は終了した。

監督
石井正忠 6.5
途中投入したカイオと鈴木が得点に絡み、「石井マジック」で勝利を手繰り寄せた。交代策が見事に奏功し、守備でもG大阪の攻撃をゼロに抑え込んだ。

リンク元

Share Button