[練習試合]FW起用も!?U-19代表・堂安律が示した確かな変化

[4.27 練習試合 U-19日本代表候補 0-1 磐田]

磐田戦で一つのポイントになったのは堂安律のFW起用だった。タイプ的には「トップ下」を最も合いそうな選手だが、4-4-2システムを採用するU- 19日本代表にそのポジションは存在しない。これまで右サイドハーフで起用されることが多く、ボランチの適性を探られた時期もあったが、今度はFWとしての起用となった。

内山篤監督が堂安を最前線に配するのは、そのキープ力とパンチ力を買っているから。よりゴールに近い位置で怖さを出してもらおうという意図である。ただ、「自分が組み立てたいタイプなので、どうしても(中盤に)下りてしまう」と堂安自身が首をひねったように、スムーズに生きる場面は少なかった。「何度か前は向けたけれど、どうも単調になってしまった。今日は何にもしていないですね」と肩を落とした。

今年高校3年生になった堂安だが、G大阪ユースはすでに「卒業」。専らG大阪U-23にて、今季J3に参戦となったチームの主軸選手として全6試合にフ ル出場して4得点という「活躍」を見せている。第5節・FC東京U-23戦では鮮烈なボレーシュートを流し込み、直近の第6節・大分戦でも2得点。内山監督がFW起用に踏み切ったのも、その得点力を買ったからなのは明らかだ。結果を出しながらトップチームからは「紅白戦にも呼んでもらえない」という、ある種のもどかしさを感じながらではあるが、「腐ったら終わりなんで、もう腐らないですよ」と持ち前の明るさで前向きに取り組んでいる。

「去年はちょっと腐ってたところがあった」と言う堂安が腐らないで済んでいるのは「G大阪U-23」というチームが今季から存在している効用でもあるだろう。フラストレーションをぶつけて自分の力を示す場であると同時に、「ガンバっぽいサッカーで、すごく楽しい」というのもあるようだ。「(オーバーエイジ でJ3の5試合に出場した)フタさん(二川孝広)とかホントにすごい。動いたら出してくれるし、スルーパスとかさすがと言うしかない」と、かつては遠い存在だった “ガンバの10番”との共演も堪能している。

単にU-23でくすぶっているというわけでもない。自分のプレーを進化させるために突き詰めていることの一つが「右足」だ。「以前は『右足なんて使えんでいい』と思っていたんですけれど、メッシが右足でよく決めるのを観て考えが変わりました。右サイドから縦に行ったら何もできひんという選手にはなりたく ないし、シュートも狙いたい」と言い、練習から意識して取り組んでいる。

磐田戦でも前半終了間際に鮮烈な右足ボレー……を枠上に大きくふかしたが、あそこでトラップから持ち直そうとしなくなったのは、堂安の小さな、しかし確かな変化だ。G大阪の未来を背負う逸材は、その場面を「自分的にはかなりいい感じで(足に)当たったんですよ」と笑って振り返りつつ、「もっと向上心を 持ってやらなアカン」と言うのも忘れなかった。

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