【J1採点&寸評】G大阪×広島|芸術的決勝弾の阿部が最高点! 米倉、金の奮闘も評価

攻守両面でフル稼働した米倉、際どいピンチで足を伸ばした金の働きを評価。

【チーム採点・寸評】
G大阪 6
前半は一つひとつのパスが微妙にズレる場面が多く、あっさりとボールロスト。どこか淡泊な攻撃が続いた。シュート7本は広島の半分だったが、それでも阿部のゴールを守り切った守備は評価したい。

広島 5.5
P・ウタカをターゲットにしながら、2シャードとウイングバックが絡んだ時の仕掛けは迫力十分。シュート数はG大阪の倍となる14本を放ち、攻撃はある程度機能していたが、最後の精度を最後まで欠いた。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
P・ウタカの突進に躊躇せず飛び込んでボールをキャッチ。最終ライン裏のカバーリングも含めて、常に集中を切らさなかった。

DF
14 米倉恒貴 6.5
柏との1対1が多くなるも簡単に突破は許さず、後半はほぼ何もさせず。クロスの質は低かったが、49分には股抜きからシュートを放つなど、ゴールへの意欲は評価に値する。

5 丹羽大輝 6
相手がパスを回す状況に応じて周囲に指示を送り、緻密に最終ラインを上げ下げするなど巧みにコントロール。裏を突かれる場面もあったが、一定の安定感を保った。

6 金 正也 6.5
P・ウタカとの空中戦で競り勝つなど制空権を握り、米倉に通した対角線のフィードは圧巻。後半には、ギリギリのところで足を伸ばしてピンチを脱するなど、随所に効いていた。

22 オ・ジェソク 6
阿部とのコンビネーションによる崩しは少なかったが、それでも力強い突破で相手エリアに迫った。序盤はミキッチに手を焼くも、以降は粘り強い守備で勝利に貢献。

MF
15 今野泰幸 6
中央への縦パスを警戒しつつ、サイドにも目を光らせるなど、広範囲に気を配った。倉田とのコンビも板に付いてきた感があり、後半は中央突破を上手くケアした。

11 倉田 秋 6
ビルトアップの局面には必ず顔を出し、パスを散らしながら攻撃のリズムを作る。逆サイドまで見えているあたりにセンスを感じた一方、パスの精度に課題を残した。

9 アデミウソン 5.5(69分OUT)
41分に見せた単独突破は真骨頂だが、前半は周囲との呼吸がいまひとつ。長沢に代わって1トップに入った後半はボールを受ける場面が増え、先制点にも間接的に関与した。

パーフェクトな一撃を叩き込んだ阿部が、両軍最高の採点「7」。

13 阿部浩之 7
35分に強烈なミドルを放ったが、惜しくもバー上部に当たってゴールならず。しかし後半早々、弾丸ミドルを突き刺す。威力、コースともにパーフェクトな一撃だった。

7 遠藤保仁 6(82分OUT)
フリーマンのように神出鬼没の動きでボールを引き出し、攻撃の流れを作ろうと奮闘。要所でチャンスに絡んでおり、後半に倉田へ通したパスは美しかった。

FW
20 長沢 駿 6(HT OUT)
最前線で動き回り、シンプルにボールを捌いて何度か良い形を作った。エリア内で勝負する機会は少なかったが、守備で献身的にボールをチェイスしてチームを助けた。

交代出場
MF
19 大森晃太郎 6(HT N)
左サイドハーフに入り、ミキッチの突破をケアしつつ、ゴール前にも顔を出した。攻守のバランスを意識し、最後まで守備で大きな穴を作らなかった。

FW
29 パトリック 5(69分IN)
球際での強さは相変わらずで、清水との競り合いを簡単に制してチャンスを作った。ただ、打開後のプレー精度の低さも相変わらず。守備もどこか緩慢で、攻守ともにぱっとせず。

MF
27 内田達也 ―(82分IN)
1点リードで迎えた終盤に投入。球際で激しく寄せて突破を阻止し、中央のスペースもそつなくケア。クローザ―としての役割を全うした。

監督
長谷川健太 6.5
前半の出来を踏まえてカードを切り、アデミウソンを1トップにシフトした采配が奏功。後半は押し込まれる時間が続いたものの、“穴を作らない”守備で逃げ切った。

千葉は不運な形で失点に関与し、序盤は飛ばしていたミキッチが後半ガス欠気味に。

【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 5.5
思い切りの良い飛び出しが光り、パンチングで難を逃れる場面も。阿部の強烈なミドルシュートには反応していたが届かず。これは相手を褒めるべき一撃だった。

DF
37 宮原和也 6
球際での1対1に強く、裏へのパスに対しても素早く寄せて対応した。大きなミスはなく、自身のサイドから崩される場面は少なかっただけに、個人としての出来は上々。

5 千葉和彦 5.5
3バック間の距離を上手く保ち、前半は付け入る隙を与えず。52分、触ったボールが跳ね返って阿部に渡るという不運な形で失点。安定していただけに、その場面だけ悔やまれる。

16 清水航平 5.5
いまやガンバサポーターからのブーイングはお馴染み。不慣れな3バックの一角で出場し、的確なポジショニングで守備をこなす。後半はパトリックに突破され、ピンチを招いた。

MF
14 ミキッチ 5.5(76分OUT)
タイミングの良い上がりでチャンスに顔を出すと、正確なクロスや強烈なシュートで脅威を与えた。ただ後半はややガス欠気味となり、徐々に勢いが衰えた。

28 丸谷拓也 5.5
状況に応じてパスを散らしつつ、機を見た上がりでゴール前に顔を出した。フリーの状態で放った43分のミドルは決めたかったところ。後半は効果的な絡みが減った。

8 森﨑和幸 6(58分 OUT)
後方でビルドアップの経由地点となり、序盤は良い形で相手ゴールに迫った。後半はやや押し込まれる展開が続き、思うように流れが作れないなか途中交代。

Jデビューを飾ったA・ロペス。シュート精度は低かったが、その積極性は買いたい。

18 柏 好文 5.5
18分にカウンターで持ち上がり、絶妙なパスをP・ウタカに通す(シュートは惜しくもGK正面)。以降も仕掛ける場面はあったが、米倉の粘り強い守備を打開できず。

31 宮吉拓実 5(65分OUT)
遠藤からボールを奪ってシュートに持ち込むなど、序盤は積極的な姿勢が光る。しかし、時間の経過とともに効果的な絡みが減り、パスを奪われて失点を招いた。

30 柴﨑晃誠 5.5
後半に押し込む時間帯もあったが、終わって見ればシュート0本。つなぎ役に徹した感があったとはいえ、意表を突くようなプレーはなく、やや低調な内容だった。

FW
9 ピーター・ウタカ 5
前線の基準点として機能し、ボールを巧みに収めて攻撃の流れを作り出した。その点は評価できる部分ものの、それ以上にチャンスを失ってブレーキになっただけに評価を下げた。

交代出場
MF
6 青山敏弘 6(58分IN)
投入直後から積極的に組み立てに関与すると、意図的に長いパスを通して相手を牽制。チーム全体にメッセージを送り、反撃ムードを作り上げた。

FW
44 アンデルソン・ロペス 6(65分IN)
今夏加入のブラジル人アタッカーがJデビュー。柔らかい左足のタッチでボールを収め、チャンスと見るや果敢にミドルも放つ。精度は低かったが、その積極性は買いたい。

FW
11 佐藤寿人 ―(76分IN)
中盤が間延びした影響でじっくり組み立てる余裕はなく、自身の特長を出しづらい状況が続いた。エリア内で勝負できないまま試合終了の笛が鳴った。

監督
森保 一 6
青山の投入でややチームは持ち直し、A・ロペスを初起用して攻撃がさらに加速。反撃体勢を整え、ゴールの雰囲気は漂っていたが、肝心のプレーの精度が伴わなかった。

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