G大阪サポーターが広島の清水にブーイング攻撃。本人は「特に気にならなかった」

同カードで過去に起きていた小競り合いと乱闘騒ぎ。両方に絡んだのが清水だった。

 広島の清水航平がボールを持つ度に、吹田サッカースタジアムは異様な空気に包まれた。清水がボールを触ると、G大阪サポーターが呼吸を合わせたかのように大ブーイング。試合開始から終了まで、その“ブーイング攻撃”は続いた。

15年5月の広島対G大阪戦において、岩下敬輔と清水が小競り合いを起こして揉めると、今季第1ステージ13節の広島対G大阪戦でも、今野泰幸と清水の競り合いから両軍が入り乱れる乱闘騒ぎが起きていた。その両方に絡んでいたのが清水だったのだ。

第2ステージ6節のG大阪対広島戦で、清水は3バックの左で先発。本来ウイングバックを主戦場とするが、不慣れなポジションでも守備に細心の注意を払って対応。的確なポジション取りで上手くG大阪の攻撃を阻止していた。

52分に不運な形で失点を喫したなか、目の前でシュートを打たれた清水は「失点のところを除けば、そんなにチャンスを作らせていなかったですし、しっかり戦えていたのかなと思う。でもああいうところで、試合を落とした」と、ワンプレーを悔やんだ。

「前半はチャンスを作れていたし、決めるところで決めていれば、また展開は変わったと思う。続けることが大事だと思うので、切り替えてやっていきたい」

そう前向きなコメントを残した一方、記者陣から「ボールを持つ度にあれ(ブーイング)だったけど?」と質問が飛ぶと、清水は「そうですね……」と数秒の間を置き、複雑そうな表情を浮かべ、重い口を開き始めた。

G大阪サポーターからの大ブーイングについて、清水が発した第一声とは?

 清水がボールに触るたび、G大阪サポーターから飛ぶ容赦のない大ブーイング。本人はどんな想いでプレーしていたのか。その第一声はこうだった。

「サッカー専用スタジアムは独特っていうか、だからこそより一層聞こえてくるのかな」

そして、さらに質問を重ねると、本音をポロっと漏らす。

「まぁでも、いつもどおりという感じですけどね。特に気にならなかった、というのが本音です。まぁ……これ以上はなんも言わないっす」

数秒の間を置いた後に発した「これ以上はなんも言わないっす」の裏側には、『これ以上、G大阪サポーターを刺激したくない』という想いが込められていたのだろう。

事実、清水はなにかを言いたそうな表情をしながらも、辛うじて堪えている雰囲気を漂わせた。まるで喉元まで出かかっていた言葉を、ぐっと呑み込むかのうように。

「しっかり戦えたと思うけど……悔しいですね」

大ブーイングに真っ向から向き合った男は、様々な想いを胸の内に秘めたまま会場を後にした。

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