J軽視のハリル監督、ガンバサッカーで成功の“皮肉” 長谷川監督の戦術にヒント、評価急上昇

サッカー日本代表は、今月行われたW杯アジア最終予選2試合に連勝。その影響で評価を上げた、意外な人物がいる。J1・G大阪の長谷川健太監督(51)だ。

鬼門の“中東アウェー”で行われたUAE戦に、日本代表のハリルホジッチ監督(64)はMF今野泰幸(34)を抜擢。勝因のひとつとなった。「UAE戦では経験が必要。だから今野の招集は驚きではない」と説明していた。

ハリルホジッチ監督はJリーグ視察に重きを置いていない監督だ。「海外のトップリーグと比べると、Jリーグは明らかにパススピードが遅い」と見下している。

ところが今月ばかりは、G大阪の試合に3度も足を運んだ。主将の長谷部誠(フランクフルト)が膝の故障を抱え、その代役探しに躍起になっていたからだ。

ハリルホジッチ監督はUAE戦でボランチを3人置く布陣で勝利した。これはG大阪の長谷川監督が今季から導入している戦術。今野をG大阪でプレーしているときと同じ左ボランチで先発させたのも功を奏した。おそらく長谷川監督の戦術にヒントを得たのだろう。

長谷川監督が3枚ボランチを採用しているのは、ベテランの遠藤保仁を生かし、ショートカウンターを狙うため。リーグ戦4試合を終えて5位とまずまずの開幕ダッシュとなっている。

日本サッカー協会の西野朗技術委員長も、UAE入りを1日遅らせる形でG大阪-浦和戦(19日、吹田)を視察。これも今野を長谷部の代役で起用できるかどうか最終確認するためだった。

西野委員長が2002年から11年までG大阪を率い、その基礎を築いた監督だったことも、UAE戦の勝因のひとつといえるかもしれない。今野のコンディションを正確に把握することができたからだ。UAE戦で見事に機能した戦術に西野委員長も「パーフェクトに近い」と満足顔だった。

Jリーグ軽視を続けるハリルホジッチ監督がG大阪の長谷川戦術に救われたのだから、なんとも皮肉なものだ。

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