【独占告白#3】宇佐美貴史が語る日本代表 「海外組から見下されている気がした」

日本では得られない刺激を求めて再びドイツへと渡ったデュッセルドルフのFW宇佐美貴史だが、思うように出場機会を得られずに苦戦を強いられている。そうした影響もあり、2015年3月に約2年半ぶりに復帰を果たした日本代表からは、17年3月のロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のタイ戦(4-0)以来、遠ざかっている状況だ。

バヒド・ハリルホジッチ監督の初陣となった15年3月のチュニジア戦(2-0)で途中出場を果たした宇佐美は、同年のラストマッチまで全13試合に連続起用された唯一の選手だ。 指揮官から寵愛を受けたが、J1ガンバ大阪からアウクスブルクに移籍した16年夏以降は代表から外れ、久しぶりに声がかかったタイ戦は途中出場。以降は招集リストに名を連ねることはなかった。

全5回にわたってお届けする「独占告白」の第3回テーマは、選外が続く日本代表についてだ。代表で自信を持って戦うために決断した二度目のドイツ挑戦だったが、現実はかけ離れたものになっている。宇佐美はその現状を、どのように受け止めているのだろうか。

◇ ◇ ◇

海外に活躍を求めた理由の一つは、日本代表として海外組の選手とプレーした際に感じた劣等感を克服するためでもある。

というのも、ガンバ大阪での活躍を評価してもらい15年に約2年半ぶりに日本代表に選出された際、海外組の選手からどことなく見下されている気がしたというか。いや、彼らはきっとそんなつもりはなかったはずだと考えれば、僕が勝手に劣等感を抱いただけだとは思うよ(笑)。

「永遠に海外組と対等に戦えない気もした」

でも、僕自身はJリーグでの活躍に対して、海外組の選手に言われた「凄いね~」「点、取るよね~」という言葉を「本心ではないな」と思ったし、勝手な深読みかもしれないけど、「よくJリーグで点を取ったくらいで満足できるよね」と言われている気がした。

それは自分も11年の夏からの2年間、ブンデスリーガという世界最高峰のリーグで、しかもそのうち1年はバイエルンという世界屈指のビッグクラブでプレーしたことで、改めてJリーグ、日本人選手のレベルを実感したからでもある。

と同時に、だからこそ海外での成長を求めなければ、永遠に海外組の選手と対等に戦えない気もした。

もっとも、これを決断することで日本代表に選ばれなくなる可能性も考えないではなかったよ。でも僕の中では、海外移籍によって日本代表の道が絶たれてしまうことと、日本でプレーしてワールドカップには出場したけど何もできなかった、というのは同じレベルな気がしたというか。

そういう意味では今、日本代表から外れていることに対しても、そこまで気持ちは揺れていない。そもそも日本代表に選ばれるためにサッカーをしてきたわけではないしね。

「W杯を意識している自分がいるのも事実」

もちろん、選ばれたら嬉しいし、ワールドカップに出場すれば新たな人生の広がり方をするかも知れないとは思う。先にも話した通り、ロシア・ワールドカップを意識している自分がいるのも事実だしね。

でも僕の目標はあくまで選手として成長すること。それはJリーグでプレーしている時から変わっていないし、この先も変わらないと思う。

リンク元

Share Button