「なぜその若さでJリーグを選んだの?」ガンバ大阪期待の新助っ人、コンチャを直撃した

サービス精神に溢れた真面目な青年

 ガンバ大阪に期待の新助っ人選手がやって来た。ラ・リーガ1部、レアル・ソシエダから期限付き移籍で加入した同国出身の22歳、ダビド・コンチャだ。3月9日に行なわれたJ1リーグ第3節、ホームでの名古屋グランパス戦でさっそくハーフタイムにサプライズ登場し、「マイド、オオキニ!」と関西弁で挨拶。いきなりサポーターの心を掴んだ。

サービス精神に溢れた真面目な青年。左利きのアタッカーで、両サイドにトップ下、前線と攻撃的な位置ならどこでもプレーできる。ドリブルでの仕掛け、局面を打開する力は現在のガンバに足りないピース。スペインU―19代表の選出経験もある即戦力は、覚悟と自信を口にする。

「日本のリーグでは本当にたくさんゴールが生まれているし、攻撃陣が積極的にアタックするイメージ。僕自身も、日本のそんなスタイルと似ていると思う。ゴールに向かうプレーをどんどん見せていきたい」

ラシン・サンタンデールのアカデミーで育ち、トップ昇格。リーガ3部、2部とキャリアを積み、バルセロナB(2部)に所属した時期もある。レアル・ソシエダでは8試合に出場。昨シーズンは怪我に悩まされたが、そのなかで新天地に選んだのが、自分のスタイルが合致すると確信した日本だった。

「日本サッカーのレベルは上がってきている。だからこそ、スペイン人選手もたくさん来るようになった。成長している素晴らしいリーグだと思う。なにより監督が、僕がここに来るように望んでくれたから」

実は昨年から、宮本恒靖監督と松波正信強化部長の間で白羽の矢を立てていた逸材。松波強化部長は「いまウチにいる選手とはタイプが違うし、細かいところで崩せる。違いを見せられる」と期待を寄せる。ガンバでは初めてのスペイン人選手だ。

「若い世代で代表に入っているし、バルサBでもプレーして評価されている。神戸ほどのインパクトはないかもしれないけど(笑)、本人も日本でチャンレンジしたい精神が強い」(松波強化部長)

デビュー戦は最短で3月30日。同胞の偉人たちと対戦か

 その気持ちが強く表われていたのが「マイド、オオキニ」のパフォーマンス。日本へ向かう航空機のなかで日本語の本を読み、猛勉強してきたという。すでに「オハヨウ」「コンニチハ」「アリガトウ」「スミマセン」の挨拶はマスターし、ガンバのチームカラーである「アオ」や数字も覚えた。日本食も大好きで、初めて食べたのはカツ丼。「寿司や味噌汁も好き」とお気に入りのようだ。

異国の地での生活も初めてだ。にもかかわらず、しばらく通訳はつけないという。英語や日本語が堪能なスペイン人のトニ・フィジカルコーチや、ポルトガル語通訳の力を借りながらコミュニケーションを図っていく。

デビュー戦は「早くて代表(ウィーク)明けかな」(松波強化部長)とのこと。3月30日のJ1リーグ第5節、ホームでの神戸戦が最短となるだろうか。同胞の英雄、アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャらと初めてプレーする可能性もあり、「対戦できるのが楽しみ」と胸を躍らせている。

頼もしき気鋭のアタッカーが、ここまでJ1リーグで1勝2敗と苦しむガンバの救世主となりそうだ。

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