ファン・ウィジョと槙野智章の接触はPKだった?なぜ主審はファウルを取らなかったのか

気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ」の第7回が16日、DAZNで先行配信された。

今回は、Jリーグ原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに、JFA審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長を迎えてSNSでつぶやきが多かったシーンを解説した。

『Goal』では同コンテンツの中から、注目のジャッジをピックアップ。第7回は、4月14日にパナソニックスタジアム吹田で行われた明治安田生命J1リーグ第7節のガンバ大阪と浦和レッズの一戦から槙野智章とファン・ウィジョの接触プレーを取り上げる。

ファン・ウィジョと槙野の接触は、PKにするべきだった?

いまいち波に乗り切れないG大阪と浦和が対峙したゲーム。G大阪は41分、左サイドで細かなパス回しからアデミウソンが、中に走り込んでいたファン・ウィジョにラストパス。

受けたファン・ウィジョはダブルタッチ気味に切り返し、チェックに入った槙野をかわしにかかるが、PA内で倒れてしまう。このシーンで槙野の左足がかかったように見えたが、主審は笛を吹かず。プレーはそのまま続行された。

リプレイを見て平畠さんは「もし今のプレーで笛が鳴ったとしても、僕はそんなに不思議には思わなかった」ようで、当該シーンについてSNSでも「あれはPKじゃないか。かなり深く槙野選手の足が入っているし、試合の流れを大きく左右するジャッジだった」、「ノーカードのPKでは?」といった意見が多数寄せられた。

原副理事長は、ファン・ウィジョが切り返した際に「立ち足をつけることができたんだけど、あえてつかないで倒れている」ことを指摘。「多分、ついた時にすごくバランスを崩していれば、間違いなくPK」になるので、「ちょっと大げさに倒れているというふうに取られちゃったんじゃないか」と見解を述べた。

その上で「(立ち足をつけて)もうちょっと踏ん張れたと思う」と原副理事長。「立ち足もつけるのに、あえて抜いちゃってるじゃない? だからもうちょっと踏ん張っていれば…」とPKに至る事象ではないと持論を展開した。

一方でオリバー氏は、PKかノーファウルかを見極めるのは「難しい」としながらも、「足が引っ掛かっているのは、このビデオで見ればはっきり分かる。これはファウルですね。PKを与えなくてはいけない」と、主審の判定とは異なる意見を投じた。

「足が引っ掛かっているところ、不自然な倒れ方がある。これが十分に取れるぐらい足が引っ掛かっているかというのを判定しないといけない」

では、なぜ主審はPKを取らなかったのか。オリバー氏はその要因として「(ファン・ウィジョの)不自然な倒れ方」を挙げ、「それをしていることで、主審が判定をする助けにはなっていなかった」と推測。「選手が『ファウルだ!』と叫んでいるのもあった。これは主審から見ると、やはり不自然に見えた」ので、プレーを流したのではないかと説明した。

「原さんがおっしゃったように、これを頑張って倒れないようにすることはできたと思う」としつつも、「私から見ればPKです。最初のプレー、最初のスピードですね。ファウルがされたかどうかの判定が難しくなるのは、(ファン・ウィジョの)不自然な倒れ方」と、PKの判定が望ましいとしながらも、主審の判断にも理解を示した。

また、主審はこのシーンでPKを取らなかった一方で、ファン・ウィジョのシミュレーションも取らなかった。オリバー氏によると「これは接触があるので、それをシミュレーションと読むのは難しい」と説明した。

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