【J1採点&寸評】G大阪1-0C大阪|執念の”ウノゼロ”でダービー制覇!好セーブの東口、決勝点の倉田は「7」

G大阪――守備陣が抜群の集中力を発揮

[J1リーグ12節]G大阪1-0C大阪/5月18日(土)/パナスタ

【チーム採点・寸評】
G大阪 7
遠藤と今野が先発から外れる新布陣でC大阪を迎え撃ち、明らかに気迫と運動量で相手を上回った。最少得点差の勝利だったが、チャンスの多さと攻撃の鋭さは明らか。終盤の劣勢時も身体を張った。

【G大阪|採点・寸評】
MAN OF THE MATCH
GK
1 東口順昭 7
まだ機能性が不透明だった立ち上がりに高木の決定的なチャンスをビッグセーブ。後半も枠内シュートに適切に対応した。課題のキックも安定し、スローもうまく使い分けていた。

DF
5 三浦弦太 6.5
3試合ぶりの先発復帰で、試合前から気合十分だった。3バックの中央で持ち味の個の強さを発揮し、後半の劣勢時もゴール前で徹底して身体を張り続けた。初先発の高尾もうまくフォローした。

13 菅沼駿哉 6.5
ユース育ちだけにダービーの重みは自覚済み。対人プレーの強さを生かして、危険地帯をしっかりと締めた。また、逆サイドに精度の高いロングフィードも披露。攻撃の一歩目も意識していた。

27 高尾 瑠 6.5
本職はCBではないが、長い足を生かして相手からボールを掠め取ったり、激しい球際の守備も披露したりした。決勝点も、高江のフィードがきっかけで組み立てに絡める持ち味を発揮した。

34 福田湧矢 6.5
左のウイングバックで先発し、立ち上がりこそ守備意識を重んじたが、試合に慣れると徐々に積極的な攻撃参加を披露。シュート意識も高かったが、惜しむらくは試合終了間際の決定機を決め切れなかったこと。

MF
8 小野瀬康介 5.5
守備では要所をしっかりとケアし、高尾とも好連係を見せていたが、肝心の攻撃では効果的なプレーが少なく、シュートゼロに。最近、やや一時期のような攻撃の鋭さが見られていない。

10 倉田 秋 7(73分OUT)
矢島と高江と中盤を形成し、派手さはなかったがうまく攻守のバランスを保っていた。前半から前方に飛び出すプレーを見せていたが、得点場面もうまく顔を出し、強シュートで決勝点をゲット。

G大阪――ファン・ウィジョは守備で貢献

21 矢島慎也 6(81分OUT)
岡山時代にも慣れ親しんだアンカーのポジションで攻守において巧みな動き。長いパスで前線を走らせたが、課題だった守備でも周囲とうまく連動しながら、ボール奪取する場面も見られた。

29 高江麗央 6.5(68分OUT)
抜群の運動量と効果的なスペースへのランでボールを引き出し、攻撃を活性化した。唯一の得点機も、自らのパスによるもので、絶妙のラストパス。足がつったのも納得なほどハードワークした。

FW
9 アデミウソン 6
明らかに気迫が違っていた。ボールを持つと相手の脅威になっていたが、肝心のシュート場面では精度を欠いたのが残念だった。ただ、守備もサボることなく、球際でも終始戦っていた。

16 ファン・ウィジョ 5.5
前半、鋭い読みでヨニッチのバックパスをカット。GKとの1対1を作り出したが、いつもの決定力がなかった。守備では貢献していたが、後半はシュートゼロでやや怖さを欠いた感もある。

交代出場
FW
40 食野亮太郎 6(68分IN)
サイドで起用され、押し込まれる時間帯でタフに守備に奔走した。本来は攻撃にも出たかったはずだが、エゴを出さずに守備でハードワーク。終盤はゴール前に顔を出し、強烈なシュートも放った。

MF
15 今野泰幸 5.5(73分IN)
運動量でチームをてこ入れしたかった時間帯に投入された。低調だった前節の鳥栖戦とは異なり、今野らしさを見せる場面もあったが、まだ本来の影響力をプレーで表現しきれていない。

7 遠藤保仁 -(81分IN)
押し込まれる苦しい時間帯に投入されたが、懸命に守備にも奔走。マイボールになると時間を作り出すことも意識し、引いて守るだけでない選択肢をチームにもたらした。

監督
宮本恒靖 6.5
遠藤と今野を先発から外す大胆な策が奏功したが、3バックの新布陣の配置も適切で短期間で見事に落とし込んだ。特に高尾の3バック起用は攻守両面でスマッシュヒットだった。

C大阪――中盤が上手く機能せず

【チーム採点・寸評】
C大阪 5
G大阪のチーム状況を考えれば勝たなければいけなかったが、いまだリーグ戦では勝ちがないパナソニックスタジアム吹田でまたしても敗戦。球際やスプリントの回数でも遅れをとってしまった。

【C大阪|採点・寸評】
GK
21 キム・ジンヒョン 6.5
前半はファン・ウィジョの決定的なシュートをさすがの読みでストップ。1失点は喫したが、GKを責めるのは酷で失点に責任はない。終盤は相手ゴール前に攻め上がり、何とかしたいという気持ちも見せた。

DF
2 松田 陸 5.5
守備では粘り強い対応を見せ、大きな破綻はしなかったが、福田の突破などに押し込まれる場面も多かった。攻撃参加も見せていたが、精度が低く、ややミスが目立った。

3 木本恭生 5.5
ファン・ウィジョら相手の強力FWに対して局地戦で激しくプレーし、前半は好対応を見せていたが、失点場面はスペースを与えてしまっていた。瀬古と異なり、フィードでの貢献も少なかった。

14 丸橋祐介 5.5
大崩れすることはなかったが、攻めでは効果的なプレーが少なかった。3バックにスイッチした後半は、相手のウイングバックを意識しすぎたのか、持ち味をさほど出せなかった。

22 マテイ・ヨニッチ 5.5
前半は軽率なバックパスをファン・ウィジョに奪われ、あわや先制点を献上というミスを犯すなどキックに不安定さが目立った。ただ、対人の強さを生かして厳しくマークし、相手FWを封じ込めていた。

MF
5 藤田直之 5.5(70分OUT)
初めての大阪ダービーだったが、攻撃の見せ場はシュートチャンスを作り出したロングスローぐらい。攻守両面でやや積極性を欠いた印象だ。70分にピッチを後にしたのも当然の出来だった。

7 水沼宏太 5(79分OUT)
前半はサイドで起点になったが、相手の脅威になるプレーには至らなかった。福田とのマッチアップに手を焼き徐々に守勢に回ると、イライラ感がプレーの精度に影響していた。

C大阪――後半のシステム変更は裏目に

10 清武弘嗣 5
前半はサイドで小野瀬と高尾にうまく封じ込められ、全く怖さがなかった。シャドーにポジションを変えた後半は、相手ゴールに迫るプレーも見せ始めたが、決定的な仕事はできずに終わった。

25 奥埜博亮 5.5
献身的に中盤を走り回るプレーはいつもと同じだったが、キックなどを含めて、細かいミスが目立ちチームがリズムを失う一因になっていた。後半はボールを運ぶ意識もあったのだが。

FW
13 高木俊幸 5(50分OUT)
前半に両チーム通じて最初のビッグチャンスを得るも、東口の老獪な対応に得点しきれず。この決定機を逃したことがメンタル面に影響したのか、相手の脅威になるプレーは出せず、50分で交代した。

20 ブルーノ・メンデス 5.5
周囲からいいボールを供給してもらう場面は少なかったが、それでも数少ないパスはしっかりと収めていた。ただ、都倉不在の影響を感じたひとりで、シュートチャンスもごくわずか。消化不良の90分だった。

交代出場
MF
11 ソウザ 5(50分IN)
投入直後に無念の失点を喫したが、フリーダムすぎる動きが守備の綻びにつながっていたのはまぎれもない事実。ボールを持って何とかしたい気持ちは見せたが、完全に空回り気味だった。

FW
8 柿谷曜一朗 5.5(70分IN)
一度枠内シュートを放ったが、決め切るには至らず。裏抜けの意識を持ち、ピッチ内でも懸命にパスを求めていたが、柿谷を生かすボールはなし。ダービーに秘めた想いを結果につなげられなかった。

MF
32 田中亜土夢 5(79分IN)
同点に向け攻撃のギアを上げたい終盤に投入され、アグレッシブな動きで、勢いの良さは見せたのだが、やや空回り気味で決定的な仕事はできずに終わった。

監督
ロティーナ 5
福田のアグレッシブさを消しにかかった後半のシステム変更は結果的に裏目に出てしまった。交代カードは次々に切ったが、ソウザのポジション取りについても修正しきれず、1点に泣いた格好だ。

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