ガンバ大阪の新しい“武器”へ!新戦力の小野裕二に期待される役割とは?

宮本恒靖監督が想定するのは…
沖縄1次キャンプ中のガンバ大阪は18日、沖縄SV(元日本代表の高原直泰が立ち上げた九州サッカーリーグに属するクラブチーム)との練習試合を行い、4―1で勝利した(45分×2本)。

まだリーグ開幕まで約1か月残っていることから、結果よりも内容に比重を置くのは当然で、この試合のテーマは『積極的な前線からの守備』だった。ウイングバックも含めて全体が高い位置を取り、2トップからプレスを掛け続ける新戦術だ。

その中で新戦力のMF小野裕二は、インサイドハーフとして約30分間プレーした。持ち味の全てが発揮されたわけではないとはいえ、確かな技術とハードな守備を披露。CKのキッカーも務めた。

そして、たった1回のプレーだったが、もっとも期待されている動きも見せている。試合開始から20分が過ぎた時だ。FWの選手が降りてパスを受けた瞬間、2トップを追い越して相手ゴール前へと走り込む。パスは繋がらなかったが、相手の守備陣は完全に捕まえきれていなかった。

「ゴールから逆算してプレーすることは心掛けている。そうなると裏への抜け出しは大事。それによって相手のディフェンスラインが下がるし、ガンバには技術の高い選手が多い。(FWが)降りて、前を向いてのほうが怖い。それがないと単調な攻撃になる。自分もそうだけど、他の選手もそこ(裏のスペース)を狙うのは大事になる。裏に抜けるのは得意なので、どんどん出していければ良いと思っている」

昨季まで在籍した鳥栖ではサイドやボランチを経験したが、元々は攻撃的な選手。ゴールへの感覚は持っている。15日の海邦銀行との練習試合でもインサイドハーフとしてプレー。クラブ側は獲得前にウイングバック起用も想定していたが、宮本恒靖監督は「インサイドかもう少し前のポジションで考えている。外(ウイングバック)ではないかな」と話す。

その上で「狭いところでボールを受けて、フィニッシュに絡むところ。インサイドの選手が得点を取れれば、チーム全体としてたくさんの得点が取れるので。タカシ(宇佐美)やアデ(アデミウソン)が引いたときに飛び出せればチャンスになる。その動きはインサイドの選手には求めたい」と期待を寄せた。

遠藤、井手口、倉田、矢島…現状の戦力にない武器とは?
今季もベースは3―1―4―2システム。逆三角形の中盤には倉田秋、矢島慎也、井手口陽介、そして遠藤保仁がいる。それぞれに違った特徴を持っている実力者たちだが、背後のスペースへの抜け出しを明確な武器として持っている選手はいない。

「チームをやろうとしていることをしっかり理解して、自分に何ができるかを見つけることが非常に大事になる。今日はパスの精度が悪かったけど、もっと攻撃の部分でチャンスメークして、もっとゴールに関わっていかないといけない。あとクロスに入ることも意識しないといけない」と小野は語る。

チームが始動して、まだ10日。手探りの状態は致し方ない。だが今後、小野の〝飛び出し〟が共通理解として浸透していけば、チームは新たな武器を手にすることになるはずだ。

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