Jリーグで闘い続ける元日本代表選手たち。35歳以上の現役ベストイレブン!三浦知良、中村俊輔、小野伸二ら

昨シーズンの明治安田生命Jリーグでは、田中マルクス闘莉王や坪井慶介、栗原勇蔵、明神智和ら多くの元日本代表選手が引退。とはいえ、2020シーズンになっても現役を続ける男たちはまだまだいる。『Goal』では、原則として代表20キャップ以上の選手を対象に、35歳を超えてもなおJリーグで戦う男たちのベストイレブンを選定した。選考に当たっては、Jリーグクラブでのキャリアを重視している。

GK曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)
生年月日:1979年8月2日(40)
代表出場歴:4キャップ

35歳以上の現役Jリーガーに代表20キャップを刻む選手がいないため、例外的に選出。とはいえ、上の世代では川口能活と楢崎正剛というスペシャルな2人が正守護神の座を争っており、同世代には今でも海外挑戦を続ける川島永嗣がいるために日本代表にはあまり縁が深くなかったが、Jリーグにおける曽ヶ端の貢献は格別だ。23年間鹿島一筋を貫き、J1史上最長244試合連続フルタイム出場を記録。“常勝軍団”と称されるほど安定して勝ちを拾うクラブを支え、計25個のタイトルを獲得している

DF阿部勇樹(浦和レッズ)
生年月日:1981年9月6日(38)
代表出場歴:53キャップ

2010年夏から2012年初めにかけてはレスター・シティ(当時チャンピオンシップ=イングランド2部相当)でプレーしたが、それでもJ1出場数は歴代4位の574試合。現役選手の中では2番目の数字だ。また、日本代表としても2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)のベスト16進出に貢献している。今回はDFとして選出したが、日本を代表する守備的ユーティリティープレーヤーの1人であり、中盤で起用した際には高精度のロングパスでゲームを操る。

DF今野泰幸(ジュビロ磐田)
生年月日:1983年1月25日(37)
代表出場歴:93キャップ

こちらも高い質を備えるユーティリティープレーヤーだが、阿部がキック精度に長所を持つとすれば、より守備に磨きをかけたのが今野だ。インテリジェンスに優れ、常に相手の動きを予測、上手く自身の間合いに持ち込んで華麗にボールを奪い去る。FC東京、ガンバ大阪と2つのクラブで計11個のタイトルを獲得した男は、日本代表としてもW杯2大会、アジア杯3大会に出場して世界トップレベルのアタッカーと渡り合った。

DF駒野友一(FC今治)
生年月日:1981年7月25日(38)
代表出場歴:78キャップ

日本代表としてW杯2大会に選ばれた駒野は2019シーズン、元日本代表監督・岡田武史氏がオーナーを務める今治に移籍。当初はJFLだったが、今年からJリーグの舞台に戻ってきた。これまでのキャリアでは2016年に半年間在籍したFC東京でこそ振るわなかったが、サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、アビスパ福岡でハイパフォーマンスを維持し、J1・J2通算で524試合に出場している。時にはプレースキッカーを担当することもあり両足で高い精度のボールが蹴れるが、特に右足のアーリークロスで多くの得点をお膳立てしてきた。

MF中村憲剛(川崎フロンターレ)
生年月日:1980年10月31日(39)
代表出場歴:68キャップ

プロデビューから川崎F一筋で18年間を過ごす中で、非凡なパスセンスでいずれのシーズンも重要選手として活躍。38歳で迎えた昨シーズンもJ1屈指の攻撃性能を発揮していた。J1通算出場数は458試合で歴代10位にランクインしているが、2017シーズンにはクラブ初のJ1制覇、翌年に連覇を達成。キャリアのすべてをワンクラブに捧げている献身は称賛に値する。選考に当たり、海外クラブを渡り歩いた松井大輔との比較となったが、中澤佑二と並び最多15回のJリーグ優秀選手賞を受け取っている中村が上回った。

MF稲本潤一(SC相模原)
生年月日:1979年9月18日(40)
代表出場歴:82キャップ

2002年、2006年、2010年の3大会連続でW杯に出場。特に2002年の日韓大会では2得点を沈め、日本初の勝利&決勝トーナメント進出に大きく貢献した。また、同年のバロンドール候補にもノミネート(日本人選手としては中田英寿に次ぎ2人目)されている。アーセナルやフランクフルトなど海外クラブ在籍期間が長かったが、それでもJ1通算225試合に出場。昨シーズンのリーグ戦で39歳8か月28日で得点を決め、J3最年長得点者となっている。

MF小野伸二(FC琉球)
生年月日:1979年9月27日(40)
代表出場歴:56キャップ

「日本史上最高の天才は?」と問われれば、小野伸二の名前が頭に思い浮かぶ方も多いだろう。フェイエノールトで日本人として初めてUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)制覇を成し遂げた小野だが、Jリーグクラブ在籍時にもJ1、J2、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)などのタイトルでキャリアを彩っている。負傷に悩まされることもあったが、誰も想像がつかないようなプレーを披露してくれるこの男は40歳になっても現役を続行しており、沖縄の地でサッカーの楽しさを伝え続けている。

MF遠藤保仁(ガンバ大阪)
生年月日:1980年1月28日(40)
代表出場歴:152キャップ

J1通算631試合、代表通算152試合で出場数はどちらも歴代最多(J1では楢崎と同率)。キック精度と戦術眼は唯一無二のものであり、同等以上のゲームメイク能力を有する選手は世界を見渡しても多くはないだろう。クラブレベルでは計14個のタイトルを獲得しており、特に天皇杯は5度制している。Jリーグのベストイレブンにも最多12回にわたり選出され、2位の闘莉王(9回)を突き放している。昨シーズンには先発を外れることもあったが、途中出場時には大きく流れを変え、存在の大きさを改めて示した。

MF中村俊輔(横浜FC)
生年月日:1978年6月24日(41)
代表出場歴:98キャップ

日本代表の元10番はセルティックのレジェンドでもあり、海外で長く活躍した印象も強いが、Jリーグの歴史にも名前を刻んでいる。海外挑戦前の2000年、日本復帰後の2013年にそれぞれJリーグ最優秀選手賞を受賞。2000年時の受賞は歴代最年少であり、2度表彰を受けたのも中村が唯一だ。代名詞の直接FKに関しても、Jリーグ史上最多の通算24ゴールを記録している。

FW三浦知良(横浜FC)
生年月日:1967年2月26日(53)
代表出場歴:89キャップ

1982年に高校1年生にして単身ブラジルに渡ってスキルを磨き、1990年に帰国してヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)に移籍。そして、Jリーグ初年度の1993年に記念すべき初の最優秀選手に輝いた。スーパースターとして国内リーグの発展に大きく寄与し、それから27年が経っても現役を続行。言わずもがなリーグ史上最年長選手であり、サッカーを愛し続けるキャリアは世界でも称賛を集める。代表としても歴代2位の55ゴール(1位は釜本邦茂の75ゴール)を記録している、日本サッカーを象徴する存在だ。

FW玉田圭司(V・ファーレン長崎)
生年月日:1980年4月11日(40)
代表出場歴:72キャップ

2006年ドイツW杯ブラジル代表戦で先制ゴールを決めて王国の目の色を変えさせた快速ドリブラー。Jリーグにおいては驚くほどコンスタントに結果を残し続けており、2019シーズンもJ2リーグ35試合で7ゴールを記録、18シーズン連続でネットを揺らしている。アシストも多い玉田だが、2010年には13ゴールで名古屋グランパスのJ1初制覇にも貢献した。FWでは大久保嘉人や中山雅史も候補に挙がったが、前者は国内クラブでのチームタイトルがないこと、後者は過去5年間にわたり試合に出場していないことが考慮されている。

フォーメーション(3-5-2)
GK:曽ヶ端準
DF:駒野友一、今野泰幸、阿部勇樹
MF:中村憲剛、稲本潤一、小野伸二、遠藤保仁、中村俊輔
FW:三浦知良、玉田圭司

リンク元

Share Button