セルジオ越後「僕が選ぶJリーグの歴代ベストイレブン。その選考理由を語ろう」

今回は僕が選ぶJリーグの歴代ベストイレブンを紹介しよう。実は少し前に専門誌の企画でやっているんだけど、なぜ彼らを選んだのか、もう少し詳しく伝えたい。

Jリーグは今年で28年目。外国人選手を入れるとキリがないので日本人だけにした。主たる選考基準は「チームの顔として、話題を提供し、長くJリーグを支えた」というもの。

まずGKは川口能活。はっきり言ってライバルの楢崎正剛との差はないんだけど、日本代表での派手な活躍や日本人GK初の欧州挑戦など世間に与えたインパクトを加味した。

DFは3人。ひとり目は闘莉王。高校から来日し、試合に出るために日本国籍を取得。強烈なリーダーシップを発揮して、浦和、名古屋をリーグ優勝に導いた。あれだけ得点の取れるDFはいない。DFでは珍しい華のある選手だった。

ふたり目は中澤佑二。彼もエリートではなく、V川崎(現・東京V)の練習生から這(は)い上がった。まさにJリーグで育った選手だ。高さはあるけどプレーは粗い。最初はそんな印象だったけど、努力を重ねてあのレベルまでたどり着いた。フィールド選手で歴代1位となる178試合連続フル出場も見事。

そして3人目は松田直樹。代表クラスのDFがそろっていた横浜M(当時)で高卒1年目からスタメン確保。やんちゃなキャラとは裏腹にプレーはすべてにおいて高レベル。経験を重ねるごとに統率力も出てきた。ジーコ・ジャパン時代、ベンチ外に怒り、勝手に帰って代表から外されたこともあったけど、それは自信があるからで、それだけ練習もしていた証拠だろう。

ボランチは遠藤保仁と小笠原満男。遠藤は彼がいるといないとではチームのサッカーが変わるほどの戦術眼の持ち主。小笠原はボランチらしいボランチ。言葉ではなく、背中で伝えるリーダーシップも魅力的だ。遠藤はG大阪、小笠原は鹿島に長くいて、多くのタイトルを獲得。サポーターに語り継がれるレジェンドになった。

2列目は左にラモス瑠偉、右に中村俊輔、トップ下に小野伸二を置く。ラモスはV川崎黄金時代の顔。プレーでも言葉でも話題を提供してくれた。あのチームはほかにもスターがたくさんいたけど、あくまで親分はラモス。選ばなかったら怒られるよ。

俊輔はキックの種類が豊富で、精度も高くて、特にFKやCKを得ただけでスタンドを沸かせられるのは彼しかいない。サッカーの魅力を広く世間に伝えてくれたひとりだ。

トップ下の伸二は僕が一番好きな選手。テクニックがずばぬけていて、”魅せる”ナンバーワン。彼のプレーをスタジアムで見たことがある人は幸せだと思うし、いつまでも記憶に残っているんじゃないかな。

2トップはカズ(三浦知良)と大久保嘉人。カズはいまさら何も言うことはない。Jリーグの顔、日本サッカーの顔だから。

大久保を選んだ理由は、J1最多の通算185得点という記録。ストライカーというのは数字が大事。この記録は簡単に達成できるものではないし、3年連続得点王というのもスゴい。

ほかにも選びたい選手はたくさんいて悩んだし、異論反論も当然あるだろうけど、最後は好みとしか言いようがない。そうやって意見を言い合うのもサッカーの楽しみのひとつだよね。

リンク元

Share Button