ガンバが抱える問題は攻撃の形なのかメンタリティなのか…指揮官、主軸たちの考えは?

試合後のオンライン取材に応じた三者は違う視点を持っていた

[J1リーグ13節]G大阪1-3FC東京/8月29日(土)/パナスタ

サッカーとはミスが付き物のスポーツである。FC東京をホームに迎えたG大阪は1-3で敗戦。開始8分、終盤81分の失点はパスミスが起因したものだった。ビルドアップのミスから失点を重ねた浦和戦(8月19日)をなぞるような展開。その点がメディアを含めてクローズアップされてしまうのは当然だが、試合後のオンライン取材に応じた三者は違う視点を持っていた。

「後半は少し2次攻撃、3次攻撃が少なく、ボールを奪う位置が低かったこともある。(FC東京が)システム変更をして、自由にボールを持たれて、少し攻める時間が必要だったので、(倉田)秋を入れて形を変えながら攻撃に出た」(宮本恒靖監督)
「ミスが起こった時に、それを覆す得点が取れていないのは前線の選手の責任。チーム全員が責任をどう感じるか」(宇佐美貴史)
「ミスは誰にでも起こること。仕方ない。その後の反応はもっと出していかないといけない。ミスが起きても全員でカバーしていくことが必要になる」(三浦弦太)

チームに必要なのは、畳みかけるような攻撃の迫力であり、リバウンドメンタリティであると3人は指摘した。今季のG大阪はハイプレス戦術を志向する。指揮官の狙い通り、リーグ開幕・横浜戦や大分戦(7月18日)では見事にハマり、勝利を手にした。ただ…。

一方、それ以外での攻撃の形が“個”への依存率が高くなってしまっている部分も否めない。12試合を消化して3得点以上取った試合は「ゼロ」。守備を固められた相手に対して、なかなかゴールをこじ開けられていない。

2試合連続でベンチ外となっている遠藤保仁は浦和戦後に「今日の試合に限らず、エリア近くでアイデアを出したスルーパスやワンツーゴールが今季は少ない。そこが増えれば相手は嫌だと思うし、外がフリーになる。もっと中から攻めたい」と課題を口にした。事実、FC東京戦での唯一となった宇佐美の弾丸ミドルは敵陣で横パスを受けた井手口陽介がダイレクトで縦パスを入れ、そのボールをアデミウソンもダイレクトで宇佐美に落としたものだった。

新型コロナの影響で前例がないほどの過密日程。攻撃の形を構築するトレーニング時間を十分に確保できないのは理解している。そして指揮官が目先の勝利だけではなく、未来への投資をしていることも感じている。だが今季のスローガンである『GAMBAIZM』を取り戻すには攻撃力の回復が必要不可欠だ。互いの距離感、ポジション取り、そしてスイッチを入れるタイミング。FC東京戦でのゴールだけでなく清水戦(7月12日)の小野瀬康介の得点も含めて、3~4人が絡む攻撃の形が明確に構築されることが、ミス絡みの失点を跳ね返す“気持ちの強さ”にも繋がるのではないだろうか。

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