G大阪「ツネ様」宮本監督が現役時に見せた歓喜の涙

ガンバ大阪宮本恒靖監督の現役時代、ツネ様という敬称をつけて何度も原稿を書いた。

本人からも「なんでサマなんですか?」と渋い顔で聞かれたこともある。きっかけは、韓流ブームの火付け役となった俳優ペ・ヨンジュン。ヨン様だ。キャプテン宮本はグラウンドでは闘将、リーダーの振るまい。確かにそれも魅力だが、いつも落ち着き払い、クレバーな受け答えをする様子は、やはり「ツネ様」だった。

色気あるオフショットたっぷりの写真集を出したとき、マジメに聞いてみた。「ライバルはヨン様?」。宮本はやさしくほほ笑むと、何も言わず人さし指を立て、ゆっくりと左右に振った。私の頭の中には「チッチッチ、そんなわけないでしょ」と確かに聞こえた。かっこよすぎる。そんなこと自然にできる人、初めて見た。やっぱりツネ様の呼び名がしっくりくる。

だから、ただ1度の「らしくない」シーンが忘れられない。05年、川崎Fのホームでリーグ初優勝を決めたとき。終了を告げる笛を聞くと両手で顔を覆って涙を流した。リーグ戦終盤、チームはもたつき首位からも陥落。自力の可能性も消え、ムードは決してよくなかった。それでも「勝って泣いている夢を見た」と明かした宮本は、歓喜の光景を現実にしてみせた。

さて、元日天皇杯決勝。ベンチで采配を振るツネ様が、試合後にどんな感情を見せるのか。監督として初タイトルを手にした瞬間を楽しみにしている。

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