「大本命」川崎Fを追う名古屋と関西3クラブ 元日本代表FW播戸竜二氏の大胆J順位予想

新シーズンの始まりを前に、Jリーグ特任理事を務める元日本代表FWの播戸竜二氏(41)が1~20位までの全順位を大胆予想した。優勝争い、そして残留争いに巻き込まれるのは…。今季の関西J1クラブすべてに在籍した実績を元に古巣を中心に各チームの注目ポイントも列挙。現役時代、冬でも半袖のユニホームを着た男が21年のJリーグを熱く占った。

Jリーグの新しいシーズンが始まります。いろいろな情報も入ってくる中で今季の順位を予想していくと…。やっぱり優勝の本命は川崎F。総合力、継続性、安定感は凄いし、富士ゼロックス・スーパー杯でも強かった。ただ、中村憲剛が引退して、守田が移籍。シミッチが加入したけど、今年はACLによる戦力の消耗もある。他チームが付けいるスキはゼロじゃないし、堅い守備をベースに攻撃面でプラスアルファを加えた名古屋などは優勝を争う存在になってくると思う。

ゼロックスつながりでいうと、良い意味で驚きを与えてくれたのがG大阪。同じ対戦だった天皇杯決勝では守りに徹していて“あのサッカーはガンバとしてどうなんだ”と感じる人は多かったと思う。その中で、ゼロックスでは前からボールを奪いにいく姿勢、攻撃的な姿勢を見せた。期待感が持てたし、個人的に“良いな”と思ったのが新加入のレアンドロ・ペレイラ。ヘディングの強さ、足元にボールを収める能力。パトリック以上に、スタメンとしてチームに貢献できるプレーが多いと感じた。

C大阪は、結果が出ている状況で監督交代に踏み切った。これは“勝ち点を積み上げるだけでは満足しない”というクラブのメッセージだと思う。セレッソは、やっぱり攻撃的で、かつ若手も躍動するというのがクラブカラー。個人的にセンターバックの瀬古が大好きで、彼がDFリーダーになれるかどうか。レヴィー(・クルピ監督)のサッカーは攻撃的だけど、彼が1人もしくはパートナーと後ろを支えられれば、より攻撃に比重を傾けられる。そうすれば、結果的には大久保嘉人の200ゴールも近づいてくる可能性があるんじゃないかと思っている。

イニエスタが離脱している神戸で注目しているのはリンコン。まだ20歳と若く、安定しているかは分からないけど…。でも、自分が札幌で一緒にプレーしたエメルソンも20歳ぐらいに来日して、1年目から大活躍した。可能性を秘めているし、期待感もある。就任2年目のアツさん(三浦監督)にとっては始動から指揮を執る初めてのシーズンになるから、掲げてきた“バルセロナ化”の継続的なスタイルも見たい。

昨季は川崎Fの独走で終わったJ1。その中で、2位だったG大阪が攻撃的なスタイルを打ち出し、C大阪も監督を代えた。見ていて楽しいJリーグになってほしいし、よりスペクタクルな戦いが見られるはず。4チームが降格することもあって、1試合1試合のヒリヒリ感が増すことは間違いない。昨年以上の面白さになるだろうし、たくさんの人に今年のJリーグを見てほしいと思っています。

<播戸氏の展望>

昨季と違い、今季は4チームが降格する。手堅く勝ち点を積み重ねるために「守備的に戦うチームが増える」というのが一般的な考え方だが、播戸氏はまた違った見方もしている。「負けないようにするのは大前提だけど“勝っていかないと”というのも大きいと思う」。その理由が、チーム数が18→20になることによる試合数の増加。「いつもは残留の安全なラインが(勝ち点で)40ぐらいと言われているけど、今季はどうなるか分からない。どこも早く勝ち点を積み上げたいだろうし、スタートダッシュも狙ってくるんじゃないか」。開幕節から「いきなりバチバチすると思う」と予想した。

◆播戸 竜二(ばんど・りゅうじ)1979年(昭54)8月2日生まれ、兵庫県出身の41歳。琴丘高から98年に練習生としてG大阪に加入。その後は札幌、神戸、G大阪、C大阪、鳥栖、大宮、琉球に所属。Jリーグ通算396試合109得点。日本代表では国際Aマッチ7試合2得点。19年9月に引退。昨年3月からJリーグ特任理事を務め、解説業なども行っている。

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