U-24日本・林、口火弾!追加招集で初代表、チャンスに大仕事

サッカー男子・セゾンカード杯(29日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州)東京五輪世代のU-24(24歳以下)日本代表は、金メダル候補のU-24アルゼンチン代表に3-0で快勝した。前半45分にFW林大地(23)=鳥栖=が鮮やかな先制ゴール。主軸のMF堂安律(22)=ビーレフェルト=の負傷による追加招集で初めて代表入りした男が、日本に勝利を呼び寄せた。

強豪アルゼンチンのゴールを、右足一閃でこじ開けた。ゴールネットが揺れたのを確認すると、林は雄たけびをあげた。

「(瀬古)歩夢からすごくいいボールが来た。FWなので決め切るのが責任。ゴールという形で表せたのは良かった」

前半45分、DF瀬古から送られた縦へのロングボールを、巧みに自身の目の前にコントロール。一瞬でGKとの1対1に持ち込むと、タイミングを計って流し込んだ。瀬古から「俺、常に見てるから。準備しといてな」と試合前に声をかけられ、その言葉通りに届いたキラーパス。1トップの役割を果たした。

G大阪の下部組織出身だが、ユースには上がれず履正社高に進学。同高の平野直樹監督は「うまい選手ではないが、がむしゃらにやれる。20歳までにどんな選手になれるか、うまく引き継ぎたい」と指導に当たった。

普段は落ち着いた好青年だが、ピッチに入ると目の色を変える集中力はこの頃からの変わらない武器。がむしゃらさが空回りしたときは、平野監督が「オーケストラで一人だけ、でかい音出してるみたいや」と声をかけ、チームとの“調和”を図った。進学先の大体大で大学リーグの得点王になり、昨季は鳥栖とプロ契約1年目で9得点。追加招集でつかんだ初の五輪世代代表の舞台で、最高の結果を残した。

「五輪は常に意識してきた。チャンスがあるなら、そこを目指してサッカーをしたい。また呼んでもらえるようにチームで頑張りたい」

上田綺世(鹿島)、前田大然(横浜M)とFWの常連組が招集外となった中で見せつけた、目の覚めるような一撃。ワンチャンスをものにした林が、大外から一気にエース候補に名乗りを上げた。

◆林 大地(はやし・だいち)

1997(平成9)年5月23日生まれ、23歳。大阪府出身。4歳からサッカーを始め、G大阪ジュニアユース、履正社高を経て大体大に進学。2018年の関西学生リーグ得点王。19年に特別指定選手として鳥栖に登録され、同年8月のC大阪戦でデビュー弾を決めた。翌年に鳥栖に加入。プロ1年目はリーグ31試合出場9得点。今季6試合出場3得点。178センチ、74キロ。

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