海外にいれば「必ずしも上達するわけではない」 昌子源が“日本の風潮”に持論
フランス移籍を経験した昌子、海外組と国内組という呼び方に見解
日本代表DF昌子源(ガンバ大阪)は、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のタジキスタン戦を翌日に控えた6日にオンライン取材に応じ、フランスとJリーグの双方でプレーした経験からも「海外にいるから必ずしも上達するわけではない」と話した。
昌子はG大阪ジュニアユースから米子北高校へ進み、2011年に鹿島アントラーズ入り。18年ロシアW杯ではJリーグ組唯一のレギュラーとして活躍し、冬にはフランスのトゥールーズへ移籍した。その後、負傷もあり昨年からはG大阪でプレーしている。
現在の日本代表では、東京五輪を目指すU-24日本代表にオーバーエイジとして合流したDF吉田麻也(サンプドリア)、本来はその年代のDF冨安健洋(ボローニャ)の2人がセンターバックのレギュラーとして出場を重ね、他にも海外でプレーする選手が多い。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「バブル」により、より海外組、国内組という言葉の使用頻度も増えている。
そうしたなかで昌子は、「今のサッカーの、特に日本の風潮として海外組と国内組という言われ方で分けられている。それは日本代表として良いこともあるけど、悪いほうに働くこともあると思う」と話す。
「海外にいるから必ずしも上達するわけではないし、国内組の質を高めないといけないけど、そこまで低くもないと思う。Jリーグには(元スペイン代表MFアンドレス・)イニエスタのような選手が来てくれてもいる。意識の持ち方で変えられると思う。フランスではパリ・サンジェルマン(PSG)やリヨンとの試合もあったけど、そことやるモチベーションとJリーグでのモチベーションが変わってはいけない。そうやって試合にも取り組んでいる」
そのうえで昌子は、特にフランスで感じたコミュニケーションの部分で、日本人選手が取り入れるべきものもあるという点は指摘した。
外国人選手の主張の強さは「日本人にないものと感じた」
「僕も1年しか行っていないので偉そうなことを言えないけど、確かにフランスでもアフリカ人が多く、彼らの主張の強さは日本人にないものと感じた。それは国内組、海外組という括りではなく、日本人としてもっとアピールしても良いと思う。表現の仕方はあるけど、フランスからガンバに行って、僕という選手を知ってほしいし、練習中にわーわー言ったし、いろいろな選手に絡みにいった。移籍の難しさも感じるし、人それぞれどうアピールするかは、日本中のサッカー選手がアピールしていくためにも必要」
海外でプレーすることが成長につながるかどうかは、個人による部分も大きく、海外移籍自体が問題になってしまうと苦しい時間を過ごす場合もある。昌子の話す国内組と海外組を過剰に意識しないということは、日本サッカーにとって重要なポイントの一つと言えるのかもしれない。