日韓戦“完敗”への批判は「当然のこと」 G大阪DFが語る韓国代表として戦う責任

G大阪DFキム・ヨングォン、出場した3月の日韓戦を振り返る

ガンバ大阪DFキム・ヨングォンは、10代の頃から年代別代表に名を連ね、2012年ロンドン五輪では銅メダル獲得に大きく貢献。A代表にも10年から招集されており、14年と18年ワールドカップ(W杯)など数々のビッグゲームを経験してきた。

近年の韓国サッカー界を代表するDFの1人であり、キャプテンマークも託されるリーダーシップの持ち主だが、自身が出場した3月25日の日本代表戦(0-3)の結果についてはどのように感じているのだろうか。約2カ月が経過した今、オンライン取材で本人に訊いた。

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韓国代表DFキム・ヨングォンは、2019年からガンバ大阪に加入し今年で3シーズン目を迎える。今年は怪我の影響で出遅れたが、5月中旬からようやくチーム練習に合流。5月27日に行われたJ1リーグ第16節の徳島ヴォルティス戦(2-1)にスタメンで今季初出場を果たし、8試合ぶりの勝利に貢献した。

今季のG大阪は、2月27日の開幕戦後に選手、スタッフから新型コロナウイルスの感染者が出たため、活動が完全にストップ。1カ月以上にわたって公式戦が中止となるなかで迎えたのが、3月25日に日産スタジアムで行われた日韓戦だった。

「実は日本代表戦で怪我をしてしまい、そこからさらに治療とリハビリを続ける日々が続いていました」

大事なリーグ戦再開を前にしての不測の事態。さらにアウェーだったとはいえ、ライバルの日本を相手に試合内容もスコアでも0-3の完敗を喫した。

南野拓実(サウサンプトン)、遠藤航(シュツットガルト)、吉田麻也(サンプドリア)、冨安健洋(ボローニャ)ら欧州組を揃えた日本に対し、韓国は主力のソン・フンミン(トッテナム)、ファン・ヒチャン(RBライプツィヒ)、ファン・ウィジョ(ボルドー)らが来日できず、Kリーグの選手たちが中心のため「2軍」とも呼ばれていた。

ただ、その時点で国の代表に選ばれた選手には、1軍も2軍も関係ないだろう。キム・ヨングォンは代表キャプテンとして闘志を前面に出し、ピッチで何度も声を荒げていた。日本戦の前に韓国メディアから受けたインタビューでは、「韓国代表の特性は闘志。自分たちがピッチの上で日本よりも強い闘志を持てば、必ず勝てると思います」と語っていたほどだ。

チームリーダーとして感じた責任「批判をしっかりと受け止めて…」

だからこそ、敗れた責任も感じていた。

「個人的にしっかりとした準備ができていなかったのは反省すべき点です。怪我から復帰してまだ間もなかったのもあり、ベストのコンディションでなかったのはあります。結果は悔しいですが、それも言い訳にすぎません。韓国内では結果に対して、批判もたくさんありましたが、それは当然のことと受け止めています。その批判をしっかりと受け止めて、次は同じような結果にならないように準備していくしかありません」

やはりどこか歯切れが悪く、多くを語らないのは、敗れた相手が宿敵の日本ということもある。2カ月が経った今でも、思い出せば悔しさが込み上げてくるのは想像に難くない。

6月5日からはカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のグループHが、韓国で集中開催されているが、「それまでにはしっかりとコンディションを整えて、万全な準備ができると思います。最終予選に勝ち進むことに集中していきたい」と語っていたキム・ヨングォン。その言葉どおり、5日のトルクメニスタン戦(5-0)では先発出場し、1得点を決めた。怪我が完治し、実戦感覚も取り戻したなか、経験豊富な韓国代表DFはJリーグのピッチでさらなる活躍を誓っている。

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