「強いガンバを取り戻す」片野坂新体制のG大阪が始動!目標は3位以内、改善ポイントはどこに?

システムは大分時代と同様の3-4-3をベースに考えると明かしたが…

2022年のガンバ大阪が、1月8日に大阪府吹田市内の練習場で始動した。昨季は残留争いに巻き込まれ、13位と低迷。今季は大分を6年間率いた片野坂知宏監督を招へいし、新たに土台から作り直すシーズンになる。オンラインで実施されたキックオフイベント後、ガンバ大阪の指揮官として初取材に応じた片野坂監督の言葉には、今季チームが目指す方向性が大まかながら示されていた。

「私の使命は、強いガンバ大阪を取り戻すこと。できることを精一杯、ガンバのために尽くしたい」

こう語る指揮官は、大分で主に3-4-3のシステムを採用し、GKからの丁寧なビルドアップ、3バックの一角が攻撃に加わっての数的有利の創出、敵のプレスを自陣に誘い込んでのカウンターなど、特徴的なサッカーを見せていた。そのスタイルを、いかに新たなチームに落とし込んでいくのかは、サポーターが最も注目しているポイントだろう。

この日、片野坂監督はガンバでも自身が慣れ親しんだ3-4-3をベースに考えることを明かしていた。一方で「今は正直なところ、まだ3バックか4バックかは決めていない。まずは選手の特徴を把握しないといけない。(大分では)天皇杯で4バックもやりましたし、ガンバ大阪は4バックでやってきているベースもある。システムも大事だと思うんですけど、3(バック)でも4でもどうプレーするかを共有し、理解してイメージを統一することが大事」とも語った。システムは未定だが、指揮官が重要視する部分は変わらない可能性は高い。ボールを大事にしながら、相手の隙を突くポジショニングで攻め込んでいくサッカー、という部分は基本戦術になるはずだ。

昨季のガンバ大阪は、リーグワースト4位の33得点、同10位の49失点と、攻守でチームの武器を作り上げることができなかった。特に攻撃面では個人の能力に頼った部分が多く、得点力は過去最低に沈んだ。敵将として、その状況を見つめてきた片野坂監督は「強度の部分、戦術共有を徹底するところは、改善の余地がある。選手任せではなく、(戦術の)大枠は示しながら、どうプレーするか合わせながらやっていければ、得点・失点は改善できるんじゃないかと感じています」と、課題解決への青写真を提示した。その上で、ACL圏内の3位以内、勝点60、得点は50以上、失点は40以下という具体的な目標も定めた。

「ボールを奪うための球際も大事。選手に強いガンバを求めたい」

昨季、大分をJ1残留に導けなかった片野坂監督だが、天皇杯ではチームを決勝進出に導いている。しかし決勝で浦和に敗れた際には、こんな言葉を残していた。

「(大分)トリニータとして足りない部分は、プレーの強度、クオリティ、ベーシックなところ。私もいろんなチャレンジはしたが、ミラーゲームにされたり、マンツーマンでマッチアップされたりと、強度や質で上回られてしまう。そこが足りないから、リーグでも降格したし、天皇杯も取れなかった。戦う姿勢は非常に大事。サッカーのベーシックなところ、根底にある球際、強度は必要になる」

大分で残した悔いは、新天地でのチーム作りに生かされるはずだ。この日も「Jリーグで上位のチームに共通しているのは、強度が高く、スピーディなサッカー。ただボールを持つだけではなく、ゴールに進む、得点のための動きの量も増やさないと。ボールを奪うための球際も大事。選手に強いガンバを求めたい」という言葉もあった。

プレー強度は、ガンバにとっても課題の部分。大分でのスタイルを元に、より強度、スピードを加えたサッカーというのが、まずは目指すべき形ではないだろうか。かつての攻撃性が失われつつある今のチームに、現代的な要素を加えて再建できるか。新指揮官の手腕に、ガンバの未来がが託される。

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