【ナビスコカップ決勝|監督会見】完敗のG大阪・長谷川監督「鹿島のプレッシャーが非常に速かった」 SOCCER DIGEST Web 10月31日(土)18時27分配信

「今日は完敗です。鹿島の力に圧倒された」

――本日の試合を振り返ってください。

「今日は完敗です。ガンバのサポーターもたくさん応援に来てくれた決勝戦で選手も最後の最後まで戦ってくれたと思いますが、鹿島の力に圧倒された。サポーターに勝利を、優勝をプレゼントできなかったのは本当に悔しい。

また、鹿島のサポーター、選手、スタッフ、クラブにおめでとうございますと言いたいです。今日の鹿島の内容は勝つのに、優勝するのに相応しいものだったと思いますし、うちは90分間を通してなかなか活路を見出せなかった。

先ほども言いましたが、負けようと思ってプレーをした選手はいないと思いますし、勝てなかった責任は私にあります。雰囲気であったり、コンディションも 含めて良い形で決勝戦を戦わせてあげられなかったことに関しては、反省をして、リーグ戦も2試合残っていますから、ここでしっかりと切り替えたい。

残り2試合でチャンピオンシップに出られるか出られないか、今シーズンはここまで、選手、クラブ、本当にいろんな人たちが支えてくれて戦ってきましたので、なんとか良い形で終われるようにしたいです」

――攻撃陣を組み変えながら「最後はなんとか1点を」と見えましたが、上手く機能したとは言い難かったと思います。その要因はなんだったのでしょうか?

「前線で起点を作れませんでした。昌子にしてもファン・ソッコにしても、パトリックを良く抑えていましたし、倉田が落ちることで何回かチャンスになりかけましたけど、攻撃の起点を前線で作ることができなかった。

鹿島のプレッシャーが非常に早かったですし、特にボランチに関しても、(鹿島の)FWがプレスバックして自由を与えてもらえなかった。やっぱり相手陣内でなかなか時間を作れなかったことが、大きな要因かなと思っています。

リンスや大森を入れたりして、個人の力での打開を狙ったんですが、最後まで上手くいきませんでした。ただ、さっきも言ったように、選手は必死に戦ってくれましたし、見極めという部分で、私自身がちょっと甘かったのかなと思っています」

「少しの慢心がチームの中にあったんじゃないか」

――リーグ戦では次節に広島との大一番が待っています。ここで踏みとどまらないとすべて夢に消えてしまいます。

「先ほども言いましたが、ここで切り替えないと今シーズンもあと3試合で終わってしまう。天皇杯の相手はフロンターレですから非常に厳しい試合になると思 いますし、今日負けたことで『やっぱり決勝戦で負けちゃいけないな』と。準優勝という光景はもう見飽きたので、やっぱり勝たないといけないなと改めて感じ ました。

鹿島の選手が喜んでいる姿を下から見上げて、選手たちも改めてそういう気持ちになったんじゃないかなと思いますし、ここで切り替えられないチームではありませんから、選手を信じて、広島戦に向けてしっかりと戦っていきたい」

――内容的に鹿島に凌駕されたと思いますが、50分ぐらいから3本ぐらい続けてチャンスがありました。監督はあの時間帯をどう見ていたのでしょうか?

「(鹿島が)前半にシュートを外してくれていたので、一発チャンスがあればなと思っていましたし、決定機と言うほどではないかもしれませんが、選手が『決 めていれば』というシーンを頑張って作ってくれた。ああいうところが入るか入らないか。今日はやっぱり鹿島の『久々にタイトル獲りたい』という気持ちが本 当に強く出たと思います。

昨年は勝って、みんな満足はしてないと思うんですけど、『まあ勝てるだろう』という少しの慢心がチームの中にあったんじゃないかな、と。前半にああいう 形で押され気味でいてもやられない、『やっぱり俺たちが勝つ、勝てるんだ』という想いで選手も戦ってくれたと思いますが、ザックリと言えば気持ちの面で、 やっぱり鹿島の『勝ちたい、タイトル獲りたい』という気持ちが、我々を凌駕したんじゃないでしょうか」

――ハーフタイムコメントで「戦う気持ちを見せないといけない」とありましたが、監督としては戦っているように見えなかったという理解でよろしいでしょうか?

「そういう意味ではありません。球際などで負けてたので、『球際での戦いに負けるな』という話を選手たちにしました。今日のレフェリーが家本さんだったの で、そのへんのファウルは取らないだろうと思っていましたし、他のレフェリーではファウルを取るかなというチャージでも意外と流されたりしていて、そのへ んが鹿島の強い気持ちとの相乗効果で良い形にされてしまったのかな、と。

少し受ける気持ちがあったからこそ、球際の部分で前半はほとんど勝てなかった。ディフェンスラインも、最後の最後で守ってはいましたけど、スライドとか で混乱があった。時間が経って普段通りに戻ればそのままの形でいかせようと思ったんですが、前半に1点取られたら難しいゲームになってしまいますし、30 分ぐらいを目途に、あまり落ち着かなかったら岩下を入れようと。

別に西野が悪いというわけではありません。メンバーを変えて、なんとかゼロで折り返して、後半につなげられました。そのあたりに戦う気持ちは出ていたと思うんですけどね」

「私の準備不足だったかなと思っている」

――先週はACL、今週はナビスコカップとタイトルが懸かっている試合が続きました。フィジカルの疲れとメンタルの疲れ、どちらを強く感じていますか?  また切り替えと言っても、3週間ほど厳しい戦い身を投じながら「切り替える」というのは非常に難しいと思いますが、どういうテコ入れを考えていますか?

「本当に難しいと思います。休みは今日帰って、2日間与えようかなと考えています。9月、10月と本当の休みというのは月に2日間くらいしかなかったので、選手も相当疲弊しているはずです。まずは少し休養を与えて、リフレッシュをさせようと思っています。

メンバーに関しては、もうそんなに大きく変えようがありませんから、コンディションを見極めながら決めていきたい。システム的にも、ここまで戦ってきた システムを継承していくつもりです。広島にとっては優勝の懸かった試合ですし、ホームで胴上げはさせられませんから、選手と一緒になんとか良い形で広島戦 を迎えられるように準備をしていきたいですね」

――去年、三冠を獲ったことで勝利への飢えのようななメンタルのコンディションの難しさを感じたのでしょうか?

「はい、感じました。でも、やっぱり勝てない悔しさ、下から優勝チームを見る、また優勝チームのサポーターが喜んでる姿を見る、これほどエネルギーになる ものはないんじゃないかなと思います。遠藤なんかも試合前に『勝たないと喜べない』というような話をしましたけど、それは選手それぞれが分かっていたはず です。ただ、やっぱりどこかに隙があったのかなと思ってます。

そのへんをしっかりと察知して、本来ならばそういう隙を作らないように私が持っていかなければいけなかった。私の準備不足だったかなと思っていますし、 先ほどから言っているように、切り替えられるかどうかが本当に大事になってくる。もう終わったことはしょうがないですから、しっかりと忘れてというか、切 り替えて、次のリーグ戦をしっかりと見据えていきたい」

Share Button