<サッカー>鹿島3発6度目V ガ大阪破る…ナビスコ杯決勝 毎日新聞 10月31日(土)21時49分配信

Jリーグ・ヤマザキナビスコカップは31日、埼玉スタジアムに5万828人の観客を集めて決勝が行われ、鹿島が3-0で前年覇者のガ大阪を降し、3年ぶ り6回目の優勝を果たした。鹿島は大会最多優勝回数を更新し、Jリーグ最多の国内主要タイトル数を17に伸ばした。優勝賞金1億円を獲得し、MVP(最優 秀選手賞)には、2得点をアシストした小笠原(鹿島)が選ばれた。

◇MVPに小笠原

鹿島が激しく、厳しい守りからの速攻で狙い通りの展開に持ち込み、ガ大阪の技術を封じた。

前半は圧倒的に押し込みながらチャンスに決められなかったが後半15分、左CKから黄錫鎬が頭で決め先制。反撃に出るガ大阪に効果的なカウンター攻撃を 仕掛けると、同39分にも左CKから金崎がヘディングで追加点。さらに2分後、速い攻守の切り替えから、柴崎の正確なパスを受けたカイオが3点目を決め た。

ガ大阪は鹿島の勢いに受け身になってしまい、最後までリズムがつかめず、シュート5本に終わった。

◇「戦う姿勢」最後まで

世代交代を図り、各大会で優勝から遠ざかっていた名門が3年ぶりにつかんだタイトル。かつての黄金期を知る主将の小笠原は表彰式で優勝カップを高々と掲げ、晴れやかな笑顔を見せた。

「アントラーズはタイトルを取ってこそのチーム」と小笠原。昌子はOBから「鹿島にとっては2位も最下位も一緒だ」と聞かされていた。リーグ戦とナビス コ杯でともに最多優勝を誇る「常勝鹿島」。使命感とも言える優勝への強い思いが、開始直後から最後までプレーに凝縮されていた。

小笠原は守備的MFながら最前線に飛び出しGK東口と交錯。若手の柴崎は遠藤に激しいスライディングを仕掛け、金崎は前線を駆け回り7本のシュートを放ちゴールを脅かし続けた。運動量は衰えず、昨季3冠のガ大阪を圧倒した。

成績低迷によるシーズン途中の監督交代を経て、復活への足掛かりをつかめるか、今後の行方を左右する大一番だった。石井監督が7月の就任当日から選手に繰り返し伝えたのは「戦う姿勢を見せろ」という原点。選手全員が、その言葉を体現した。

左CKを蹴り先制点と2点目を導いた小笠原は「自分が若い頃も上の人に支えられタイトルを取って成長できた。こうやってチームは強くなっていく」。輝かしい足跡を刻んできたクラブに、また新たな血が通い始める。

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