【ゼロックス杯|採点&寸評】広島3-1G大阪|“らしいゴール“で先制点! チームを乗せた佐藤をMOMに

広島――エース佐藤が先制点で存在感。“パトリックキラー“の佐々木も「6.5」に。

【チーム採点・寸評】
広島 6.5
相性の良いG大阪を相手に序盤からボールを支配し、熟練のゲームコントロールを披露。無理をせず、訪れたチャンスを着実に仕留めるあたりには王者の風格を感じさせた。

G大阪 5
後半途中まで宇佐美、パトリック、アデミウソンの「UPA」は不発。彼らの出来に引きずられるように、チームのパフォーマンスも低調だった。守備でも、広島の巧みなパス回しを遮断できず、“ボールの後追い”ばかりが続いた。

【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6
カウンターで1点を失ったが、GKにはノーチャンス。その後のG大阪の反撃を冷静にしのぎ、スリッピーなピッチのなかビルドアップも危なげなくこなした。

DF
5 千葉和彦 6
森崎和とともに組み立ての起点に。守備では宇佐美に1点を決められたものの、くさびに対して鋭く反応して攻撃の芽を摘み取り、最少失点で切り抜けた。

19 佐々木翔 6.5
守備では“パトリックキラー”ぶりを発揮。ただ、それ以上に目を引いたのは攻撃参加への意欲で、オーバーラップや縦パスのトライなど、成長が窺えた。

33 塩谷 司 6.5
パトリックら屈強なFW陣との肉弾戦を制し、フィジカルの強さを改めてアピール。試合終盤には青山からキャプテンマークを託された。佐藤の先制点をアシストした高精度のパスも見逃せない。

MF
6 青山敏弘 6(83分OUT)
G大阪の早い寄せもあり、局面を打開するパスは限られた。一方、セカンドボールを拾ったり、ボールホルダーへプレッシャーをかけて攻撃を遅らせるなど、泥臭く戦った。

8 森崎和幸 6
最終ラインで攻撃を組み立て、巧みなポジション取りとタックルでボールを奪取。キャンプでは故障もあったが、リーグ戦に向けて問題はなさそうだ。

14 ミキッチ 6
青山とのパス交換から果敢に右サイドで仕掛けて攻撃を活性化。決定的なチャンスには至らなかったが、動き自体は悪くなかった。宇佐美に簡単にボールを持たせなかった守備も好印象だ。

18 柏 好文 5.5
オ・ジェソクに行く手を阻まれ、昨季7割近い成功率を誇ったドリブルもこの日は不発。ミドルシュートなどで選択肢を増やしたが、決定機は作れなかった。

25 茶島雄介 6
絶え間なく上下動してギャップを突き、ボールを引き出していた。カウンター時のスピードもチームに勢いを与えたが、“怖さ”に欠けたのは今後の改善点だろう。

30 柴崎晃誠 5.5(69分OUT)
左ウイングバックの柏との連動を封じられ、シャドーでブレイクした昨季の輝きは見られず。今後も厳しい対策が予測されるだけに、これを教訓にリーグ戦でアジャストしてきたい。

FW
11 佐藤寿人 6.5(53分OUT)
前半はG大阪の巧みなラインコントロールに手を焼き、ボックス内で勝負できず。しかし51分、ようやく訪れたファーストチャンスを確実に決めるあたりはさすがエース。チームを勝利に導いた。

交代出場
FW
29 浅野拓磨 6 (53分IN)
投入直後にPKで10番初得点を記録し、“ジャガーポーズ”を披露。懸念されたアジア最終予選の疲れも感じさせず、自慢のスピードでカウンターを仕掛けるなど、気持ち良くシーズンをスタートさせた。

FW
9 ピーター・ウタカ 6(69分IN)
73分、ゴール前のこぼれ球に迷わず右足を振り抜き、試合を決定付ける3点目。柔軟性があり、広島のシャドーにも対応できる可能性を感じさせた。

MF
28 丸谷拓也 ―(83分IN)
ウイングバック裏のスペースをカバーしつつ、全体のバランスを取る。失点せずに試合を終えたという意味では“任務完了”と言っていいだろう。

監督
森保 一 6.5
自分たちのスタイルを崩さない“不動”の采配は今季も健在。最初の公式戦でしっかり勝利を収め、幸先よくひとつ目のタイトルを手にした。

G大阪――エリア付近で勝負できなかったアデミウソン、佐々木に抑えられたパトリックは低評価の「5」に。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
51分の失点場面では、ニアサイドに飛び込んだ佐藤のシュートに反応するも止められず。57分にはPKから被弾したが、いずれも止めるのは困難。GKを責めるのは酷か。

DF
22 オ・ジェソク 6
的確にサイドのスペースを埋めて、1対1の機会を相手に与えないポジション取りが光る。

5 丹羽大輝 5.5
大きなジェスチャーで指示を送り、小刻みに最終ラインを上げ下げしながら統率。しかし後半、身体を張ったスライディングがハンド判定となりPK献上。この失点が試合の流れを決めたが、実際は大誤審であり、試合後「審判も認めた」という。

15 今野泰幸 5
この日は、怪我人の多いCBで先発。代表で慣れ親しんだ場所だけに、違和感なくプレーした。先を読んだカバーリングでピンチの芽を摘んだが、佐藤に裏を突かれて先制点を決められた。

4 藤春廣輝 5
序盤からミキッチと1対1の攻防を繰り広げ、巧みなフェイントに揺さぶられた場面も。後半はミキッチの勢いが衰えて助かった感もあったが、攻撃面で敵陣をえぐる上がりは見られず。

MF
21 井手口陽介 5.5
気迫溢れるスライディングタックルを続けざまに見せるなど、身体を張った守備で中盤を引き締めた。73分、P・ウタカのシュートに反応するも、コースが僅かに変わって失点。

7 遠藤保仁 5
短いパス交換から守備網の穴を探すも、なかなか打開策を見出せず。後半はボール際で関与する機会が減り、攻撃陣を上手くサポートできず。攻守両面に存在感が希薄だった。

13 阿部浩之 6(76分OUT)
幅広く動き回り、スペースを作るべく注力。「攻→守」の切り替えが光り、素早く相手に寄せて圧力をかけた。シュート機会を活かせなかったが、68分に宇佐美のゴールをアシスト。

39 宇佐美貴史 5.5
前半は左サイドハーフ、後半はトップ下としてプレー。守備では全力疾走で相手のボールを奪いにかかった。68分にダイビングヘッドを叩き込んで反撃の流れを作るも、全般手金は低調な出来。

9 アデミウソン 5(60分OUT)
前半は思ったようにパスがつながらず、後ろに下がってボールを要求。エリア付近で勝負する回数が少なく、脅威を与えきれなかった。後半に入ってもコンビネーションは機能せず。

FW
29 パトリック 5(60分OUT)
裏に抜け出してボールを受ける場面は少なく、ポストプレーの機会も数えるほど。“パトリックキラー“とも称される佐々木のタイトなマークに苦しみ、見せ場を作れなかった。

交代出場
MF
11 倉田 秋 5.5(60分IN)
左サイドハーフに入り、藤春との連係から崩そうとする姿勢は見せた。しかし、仕掛ける形は作っても、局面の打開には至らず。大きなインパクトを残せなかった。

FW
20 長沢 駿 5.5(60分IN)
藤本の落としからシュートチャンスを迎えるも、大きく枠を外してモノにできず。ゴールシーンで囮役になったが、それ以外で効果的な絡みは少なく、攻撃を活性化できなかった。

MF
25 藤本淳吾 -(76分IN)
少ないプレー時間のなかでも多くボールを呼び込み、積極的にコンビネーションからの打開を図った。すでに試合の大勢が決まった雰囲気のなか、“一芸”を披露する機会も訪れず。

監督
長谷川健太 5
今野をCBに下げ、アデミウソンをトップ下に置く布陣で臨むも、攻撃は機能せず。序盤から後手を踏む展開が続き、不運なPK判定もあったが、後半に3失点と立て直せなかった。

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