【G大阪】近未来のエース候補、16歳の堂安律がFCソウル戦で公式戦デビュー! SOCCER DIGEST Web 5月28日(木)17時0分配信

終盤にはプロデビュー戦ゴールのチャンスも。

 余裕を持って手にした7年ぶりのACL8強進出だった。G大阪は終了間際、16歳の堂安律をプロデビューさせている。結果的にスコアは3-2となったが、終盤はそれほどの余裕があった。

今季からトップチームに2種登録されている堂安は、2020年東京五輪世代の高校2年生。近い将来、G大阪の「10番」を背負うと言われる期待の星だ。 高校1年時からG大阪ユースの主軸として攻撃を牽引し、独特なリズムを刻むドリブルと強烈なシュートを武器とする。ユース出身の家長昭博(現大宮)や宇佐 美貴史ら“早熟の天才”のDNAを受け継ぐ逸材だ。

この新星の起用を決断するまでの状況を、長谷川健太監督は会見でこう明かした。
「試合の経過を見ながら、2-1のままでは(起用は)難しいな……と思っていた。藤春の足の状態も良くなかったですしね。でも3点目が入って、これで試合が決まったということで(堂安を)入れました」

5月20日に敵地ソウルで行なわれた第1戦を、G大阪は宇佐美の2ゴールなどで3-1とモノにした。第2戦のホームゲームは2失点以内の敗戦でも、準々決勝進出が決まる。だが、一昨年の準優勝クラブでもあるFCソウルを相手に「守り抜く」という戦術はとらなかった。

「極力、早い時間帯に先制することができれば、僕たちがかなり優位になる」
ベテランの遠藤保仁がそう考えを述べていたとおりの展開で、待望の先制弾は16分に生まれた。ドリブルで切れ込んだ宇佐美からのクロスを、パトリックが頭で合わせて先制。

前半終了間際にも、ゴール前のこぼれ球を宇佐美が競り、走り込んできた倉田秋が右足で押し込んだ。前半の2得点によって、2戦合計で5-1としたG大阪は、この時点で「8強」をほぼ手中にした。まさに理想的な展開だった。

そして86分、藤春廣輝のクロスからリンスのヘディングシュートで3点目が生まれると、指揮官はついに16歳の堂安を投入したのだった。

終盤はFCソウルが前掛かりになったことでスペースが大きく空き始め、G大阪はカウンターからチャンスを作り出す。終了間際には堂安にビッグチャンスが 到来。リンスの放ったシュートのこぼれ球に反応し、ヘディングシュートでゴールを狙う。しかし、これは元韓国代表のチャ・ドゥリに阻まれ、宇佐美もFCソ ウル相手に記録したプロデビュー戦ゴールとはならなかった。

この試合には日本代表のハリルホジッチ監督が視察に訪れていた。報道陣の取材には一切応じず、68分に宇佐美が途中交代すると、すぐさま荷造りをして3 分後には席を立ち、スタジアムを後にしている。堂安のプレーぶりが日本代表監督の目に直接映ることはなかったが、この日のデビューを契機にいずれその名が 知られるところとなるかもしれない。

エース宇佐美の活躍に加え、未来の「10番」候補と目される堂安が16歳11か月11日でデビュー。アジア8強に辿り着いたG大阪が、育成における着実な成果も見せつけた一戦となった。

二度目のアジア制覇へ――。G大阪が、また一歩、確かな足取りで頂点に近づいた。

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