【J1採点&寸評】G大阪×川崎|またも敗戦のG大阪は遠藤、今野、倉田、パトリックが最低点。逃げ切った川崎は最高点が6人

大黒柱の遠藤と今野のパフォーマンスがいまひとつ。パトリックが“ブレーキ”になった感も。

【チーム採点・寸評】
G大阪 5.5
前半は単発な攻撃に終始し、さほど脅威を与えられなかった。後半は4-2-3-1に変更し、時間をおうごとに攻撃の圧力を強めたが、最後のところで精度を欠いた印象。「点が入らない時はこんなもの」(今野)ながら、こじ開ける力を欠いた。

川崎 6.5
後半はシュート3本(前半は5本)と攻撃の勢いを失った感もあるが、前半のチャンスを確実にモノにして勝点3を掴んだ。大久保と中村の縦ラインが好連係を披露し、ハマった時の迫力は光った。終盤は危ない時間帯が続いたが、川崎らしくない“逃げ切り”は評価に値する。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
22分に小林と1対1の局面を迎え、残った足で倒したように見えたがPKには至らず。主審によってはPK判定だったか。30分の失点は、近距離からのシュートでノーチャンス。

DF
35 初瀬 亮 5.5
回数は少なかったが、思い切りの良い上がりから強烈なシュートもお見舞い。球際で力強いプレーを見せるなど物おじしなかったが、クロスの精度は今後に向けた課題だ。

5 丹羽大輝 5.5
小林に裏を突かれて、GKと1対1の場面を作られた。失点場面では、今野のマークを外した大久保に寄せ切れず。後半は安定感を取り戻し、ほとんどシュートを打たせず。

6 金 正也 6
相手のパスワークに翻弄され、中央突破を何度か許した。それでも1対1の守備ではソツなく対応し、ギリギリのところで相手の攻撃を食い止め続けた。

4 藤春廣輝 6
15分、スピードを活かした飛び出しで裏を突いてシュートチャンスを演出した。後半は相手にスペースを潰されて突破できなかったが、高い位置で牽制した。

MF
15 今野泰幸 5
中村にマンツーマン気味に付く場面も多かったが、何度か外されてピンチを招く。失点の局面では、大久保の動きに対応できずフリーに。結果的に、このワンプレーが勝敗を左右した。

7 遠藤保仁 5
前半はトップ下に入るもボールに触る機会が少なく、後方まで下がって受けざるを得なかった。後半はボランチにスライドしたが、これぞ遠藤というプレーは見られないまま。

13 阿部浩之 5.5(82分OUT)
数少ないシュートチャンスで足にミートせず。ボールを追い回す時間が長く続き、攻撃面での存在感は希薄なまま。まるで“守備専”のような振る舞いで、怖さが一切なかった。

11 倉田 秋 5(74分OUT)
前半は藤春との連係を見せ、トップ下に回った後半は絡む機会が増えたが、大きな見せ場は作れず。失点時、小林のマークを外して、フリーでパスを出させた対応は大きな減点材料。

FW
29 パトリック 5(64分OUT)
GKチョン・ソンリョンとの接触で相手を負傷交代に追い込み、交代した新井にも激しくぶつかり警告を受けた。後半に一度、ドリブル突破で脅威を与えたが、前線で起点となれず。

39 宇佐美貴史 6
ボールを奪われたところから失点の流れが生まれた。53分にシュートもGKに止められた。結果は残せなかったが、ボールを持った時の怖さはチーム随一で、ゴールの匂いを感じさせた。

交代出場
FW
23 呉屋大翔 6(64分IN)
がむしゃらにボールを追って守備網をこじ開けにかかった。最大の見せ場は、今野のスルーパスに抜け出して放ったシュートだが、これはポスト。攻撃を活性化した点を評価した。

MF
25 藤本淳吾 5.5(74分IN)
短い出場時間でシュート3本と積極性を見せたが、肝心の精度が伴わず。武器であるはずの高精度キックは鳴りを潜めた。攻撃のアクセント役としてもいまひとつ。

FW
20 長沢 駿 ―(82分IN)
終盤、パワープレーを仕掛ける際に投入されると前線のターゲット役に。ボールが何度も届いたが、相手の厳しいマークもあってシュートは1本も放てなかった。

監督
長谷川健太 5.5
戦況を見守りながら、流れを変えるべくカードを切った。それによって攻撃は活性化し、あと一歩でゴールという状況を作ったが、「最後の部分」を崩し切れなかった。

決勝弾の大久保は文句なしの最高点。CBコンビの奮闘もマン・オブ・ザ・マッチに匹敵。

【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6(32分OUT)
15分にグラウンダーのパスを通されるも、身体ごとパトリックに寄せてシュートを防いだ。しばらくプレーを続行したが、接触の影響により先制点直後の32分に交代した。

DF
2 登里享平 6
主戦場の左から場所を変え、チーム事情により人生初の右SBに入り、20分には小林との連係で打開。一定のパフォーマンスを維持し、守備でも大きなミスはなかった。

3 奈良竜樹 6.5
序盤に藤春に裏のスペースを突かれて、あわや失点の形を作られた。だが30分、ボール奪取後に30メートル近く持ち上がり、先制点の起点に。終盤はボールを撥ね返し続けた。

23 エドゥアルド 6.5
冷静な対応でパトリックや宇佐美らを抑え込み、カバーリングも安定。奈良との好連係でゴール前にカギをかけてゴールを許さず。CBコンビの奮闘が、無失点勝利の大きな要因に。

20 車屋紳太郎 5.5
69分、大島のスルーパスに抜け出して好機を迎えたがパスを選択。シュートを狙うべきだったか。パスの精度を欠いたり、判断が遅れる場面も散見され、やや安定感を欠いた。

MF
5 谷口彰悟 5
中盤の底でバランスを取りながら大島の上がりをサポート。前半終了間際、コントロールミスからピンチを招くも、大島のブロックに救われた。ミスの頻発は、もはや看過できない。

14 中村憲剛 6.5(90+3分OUT)
22分の絶妙なスルーパスは真骨頂。先制点の場面でも起点となり、高い位置で持ち前の攻撃センスを随所に発揮。大久保との距離感や連動性も良く、ふたりで相手を苦しめた。

10 大島僚太 6.5
開始早々、エリア内まで上がってファーストシュートを放つなど攻撃の意識は強かった。球際での激しい寄せに加え、前半終了間際のブロックなど、守備でも勝利に大きく貢献。

19 森谷賢太郎 5(84分OUT)
簡単にボールを奪われる場面が目立ち、ひとり流れに乗れていなかった感も。ボールが落ち着かず、パスも微妙にズレるなど、交代するまで精彩を欠いた。

11 小林 悠 6
22分、中村のスルーパスに抜け出し、GKとの1対1で倒されたように見えたが笛はならず。決定機を見す見す逃したが、30分のアシストで挽回。後半も攻撃の起点としてリズムを作った。

FW
13 大久保嘉人 6.5
中村との縦関係で上手くマークを外し、ゴール前に飛び込むヘディングで決勝弾。後半もあと一歩でゴールという形を作っており、ここぞという場面でしっかり結果を残した。

交代出場
GK
30 新井章太 6.5(32分IN)
負傷交代のチョン・ソンリョンに代わり、急きょ出場。前半終了間際、パトリックとの競り合いでヒートアップする場面も。終盤はハイボールの対応で安定感を見せた。

MF
21 エドゥアルド・ネット ―(84分IN)
ボランチに入り、高さを活かして相手のパワープレーを凌いだ。劣勢の流れで攻撃面の良さは出せなかったが、守備で与えられた役割は果たしたと言える。

MF 26 三好康児 ―(90+3分IN)
終了間際に逃げ切り要員として投入され、全力でチェイシング。丹羽との競り合いで腕をぶつけ警告を受けたが、ある意味では「勝利への執念」とも言えるファウルだった。

監督
風間八宏 6
守護神の負傷交代というアクシデントに見舞われたが、冷静な試合運びを披露。後半は押し込まれる時間が続いたなか、交代カードを要所で切りながら上手く逃げ切った。

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