【J1採点&寸評】湘南×G大阪|湘南8連敗…。一方、G大阪は首位・川崎と勝点2差に大接近、MOMは逆転勝利の立役者

湘南――猛烈な雨を切り裂いた三竿のスーパーショット。だが…2失点に関与してしまう。

【チーム採点・寸評】
湘南 5.5
豪雨のなか、縦に次々と仕掛けてサイドを攻略し、三竿のスーパーショットで先制に成功。ただミスからボールを奪われ出すうちに2失点……。何度かチャンス を作ったものの、徐々に相手に主導権を握られた。いかにして崩すかという攻撃に軸足を置いているが、守備からリズムを悪くしている。8連敗で、J1残留へ 黄信号が灯った。

【湘南|選手採点】
GK
25 タンドウ・ベラピ 5.5
FKやクロスなどロングボールが次々と飛んできて、パンチングにいって滑るなど雨に苦しんだ。後半、抜け出した大森との1対1を止めるなど貢献。悪コンディションのなか、強烈なキックが効果を発揮していた。

DF
36 岡本拓也 6
サイドに張り出してきたアデミウソンに“強気”の守備で主導権を握らせず。倉田や大森のスピードに手を焼きつつも、最後のところでしっかり踏ん張っていた。

4 アンドレ・バイア 6
先制直後、アデミウソンのシュートへの身体を張ったブロックは痺れるプレーだった。長沢にはほとんどポストプレーをさせていなかったが……。終盤は前線に上がり、パワープレーに参加。

6 三竿雄斗 5.5
台風接近に伴う強い雨を切り裂く左足のショットを叩き込む。しかし守備面では、長沢に背後を取られ、さらにマークを外されて、2失点に絡んでしまった。ゴールの採点は「7」を与えられるが、トータルでは減点にせざるを得ないか……。

MF
26 奈良輪雄太 5.5
馬力のあるプレーでアクセントを与えた。カウンターから惜しいクロスを放ったが、高山が合わせ切れなかった。終盤は左サイドにポジションチェンジ。ただ、全体的にチャンスに絡む回数が少なかった。

16 石川俊輝 5.5
中盤の真ん中でチームをコントロールし、ボールの収まりどころとして機能し、惜しいミドルも放った。ただし、求められた「結果」につなげるプレーを見せられなかったのが、相手との差になってしまった。

28 神谷優太 5.5(66分OUT)
スペースに顔を出してパスを受け、サイドチェンジでリズムを作る。しかし前線の3人と連動した攻撃が限られて途中交代に。

湘南――長谷川が目立ったパフォーマンスを披露。助っ人アタッカーの特長をいかに引き出すかが課題に。

10 菊地大介 5(75分OUT)
得意とするカットインが少なく、サイドアタックも封じられた。そのなかでチャンスを掴んだが……、シュートは枠を捉え切れなかった。

15 長谷川アーリアジャスール 6
先制点につながるクロスを放ち、カウンターから何度もチャンスを演出。さらに終盤、助っ人勢の特長を引き出したい。

19 大槻周平 5(70分OUT)
ゴール前に飛び込んでDFを引き出し、先制ゴールに絡んだ。アグレッシブなプレスで前線に“パワー”をもたらしたものの、期待された強烈なひと振りを見せられなかった。

FW
23 高山 薫 5.5
大槻とポジションを代えながら、サイドにできたスペースを巧みに突いてボールを収めた。奈良輪のクロスに合わせ切れず、同点ゴールを逃したのも痛かっ た……。また、ジネイとの連係が噛み合わずにいるのは、チームにとっての課題に挙げられる。「内容は間違いなく良くなってきている。だから歯痒いし、サ ポーターに申し訳ない。残り7試合、すべて勝つつもりでやる」と決意を示した。

交代出場
FW
29 ウェズレー 5.5(66分 IN)
試合をこなすごとに湘南の戦術にフィットしてきている。ただ、ゴール前のスペースを埋められている状況で投入され、持ち味であるスピードを生かし切れずにいるようだった。

FW
70 ジネイ 5(70分IN)
金との1対1に勝てず、前線で起点を作れなかった。何度かボールがこぼれてチャンスになりかけた際に、相手チームの長沢のようにひと仕事したかった。

MF
7 大竹洋平 5.5(75分IN)
全体が前掛かるなかで埋もれてしまった。終盤のパワープレーの際に、その精度の高いキックを生かしたかった。

監督
曺貴裁 5.5
狙いどおりと言える先制ゴールで幸先良いスタートを切った。しかし逆転を許したあと、反撃を期して投入した選手が思うように機能せず(惜しいチャンスは あったのだが)。奈良輪のポジションチェンジなどいろいろ手を打ったものの、いろいろ入れ替えすぎてしまった感もあったか……。

G大阪――上位陣が躓くなか、第2ステージ首位の川崎に勝点2差と、完全に背中を捉える!

【チーム採点・寸評】
G大阪 6.5
個々のコンディションの良し悪しに差が見られるなか、セットプレーやサイドアタックで、じわじわとプレッシャーを与えて、気付けば逆転勝ち。しっかり勝点 3を掴むところに、湘南とのチーム力の差が感じられた。上位陣が躓くなか、第2ステージ首位の川崎に勝点2差と、完全に背中を捉えた。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
強まる雨脚と風に苦戦し、左右に揺さぶられたあとにニアを突かれて先制点を献上した。しかし、その後は石川の強烈なミドルやパワープレーを防ぐなど、ゴール前に壁となってそびえ立った。

DF
22 オ・ジェソク 6.5
一瞬の隙を見逃さず、サイドのスペースにロブパスを放って長沢の同点ゴールをアシスト。逆転したあとはやや中央寄りにポジションをとってゴール前を手堅く固めた。

5 丹羽大輝 6
周囲を鼓舞しながら最後尾で守備を統率。終盤の相手のパワープレーでは、ヒヤッとする場面もあったが、背番号5がギリギリのところで立ち塞がった。

6 金 正也 6.5
序盤は高山の機動力に手こずっていたが、途中からCFに入った大槻、ジネイにはまったくと言っていいほど仕事をさせなかった。ファウルを減らせば、さらに存在感と信頼感が増すはずだ。

4 藤春廣輝 6
長い距離を走るオーバーラップは限られたものの、リスク管理を徹底して、フル出場を果たした。

MF
21 井手口陽介 6.5
ゴール前の危険なエリアを埋めて、身体を張った守備を見せた。決して目立ってはいなかったが、常に相手が嫌がるポジションを取っていた。

7 遠藤保仁 6.5
スナイパーのように精度の高いキックを次々とゴール前に放ち、CKから逆転ゴールをアシストした。土砂降りの悪コンディションのなか、計算の立つ右足はかなり重宝された。

19 大森晃太郎 6
プレッシングが効果的で、“先手”をとり湘南の出足を防いでいた。2-1とリードしたあとは、やや下がり目に位置取り、湘南に自由を与えなかった。

11 倉田 秋 6(89分OUT)
長谷川についていけず先制点につながるクロスを上げさせてしまった。その後はアデミウソンとポジションを代えながら、中央でプレーした際にはボール奪取からチャンスに絡んだ。

G大阪――MOMは長沢。決して良いパフォーマンスとは言えなかったが、しっかり「結果」を残す。

9 アデミウソン 5.5(66分OUT)
前半はポストプレーで何度か起点になったものの、前を向いた際に思うように行かず、運動量も物足りなかった。しかし後半、長沢と2トップ気味になる機会を増やすと“圧力”が増して、湘南の最終ラインを押し込んだ。それでもシュート0本に終わったのは不本意だったはず。

FW
MAN OF THE MATCH
20 長沢 駿 7(79分OUT)
ボールが収まらず、決してパフォーマンスが“素晴らしかった”とは言えないかもしれない。それでも、シュート3本で2ゴール。狙い澄ましたボレー弾と、完全に競り勝ってのヘディング弾。先発抜擢の期待に応えて、しっかりと結果を残した。

交代出場
FW
13 阿部浩之 6(66分IN)
限られた時間のなかでシュートを放ったほか、オフ・ザ・ボールで長い距離を走るなど、逃げ切りに貢献した。

MF
29 パトリック -(79分IN)
守備を固めた終盤、クリアボールのターゲットマンになり、ボールを持ち運んでカウンターにも貢献した。

DF
3 西野貴治 -(89分IN)
最終ラインに投入され、攻撃参加していたA・バイアにマークにつくなどゴール前を固めた。期待に応えて、湘南のパワープレーをことごとくはね返し続けた。

監督
長谷川健太 6.5
今野を欠くなか、先発に抜擢した長沢が2ゴールと結果を残した。終盤には、丹羽、金、さらに西野とCBタイプ3人をゴール前に並べる盤石の態勢を築いて、逃げ切りに成功した。

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