東京五輪世代絶対「世界」経験、エースはG大阪堂安

東京五輪世代が「国際経験」を勝ち取るべく、絶対に負けられない戦いに挑む。日本協会は28日に東京・本郷のJFAハウスで、U-19(19歳以下)アジア選手権に出場するU-19日本代表メンバー23人を発表した。来年5月に開幕するU-20W杯(韓国)の予選を兼ねる。現在4大会連続で本大会に出場できず、リオデジャネイロ五輪でも“泣きどころ”になった国際経験不足につながっただけに、今回こそはしっかりとキップを勝ち取る。

28日夕刻、JFAハウス内の会見場。内山監督は「権利を勝ち取って、世界に出て行かなければならない」と話した。「この4大会、U-20W杯に出ていないという現実がある。今回の世代は、20年の東京五輪の中心になる選手たち。そこに向けて経験を積んでいく必要がある」。柔和な表情が、グッと引き締まった。

U-20W杯の前身であるワールドユース99年大会では、男子では各世代で最高成績の準優勝。小野、稲本、高原らが“黄金世代”と称され、00年シドニー五輪8強、02年W杯日韓大会16強の原動力となった。この世代での国際経験は、五輪代表、A代表の強化に直結する。しかし指揮官の言葉通り、日本は4大会続けて本大会出場を逃している。

8月のリオ五輪でも、国際経験の重要性は再確認された。初戦のナイジェリア戦での敗戦が響き、1次リーグ敗退。やや浮足だった様子もあった初戦への入り方が悔やまれた。

内山監督は14年U-19アジア選手権でコーチを務めた。そして、決勝トーナメント1回戦で北朝鮮にPK戦の末に敗れ、本大会出場を逃した。指揮官は「その気持ちを持ち続けている」と語気を強めた。

この世代はJクラブで出場機会を確保しにくく、試合勘を失いがちだという難しさが付きまとう。それでも柏で主力を張るDF中山、J1年間勝ち点首位の川崎Fで活躍するMF三好ら、有力クラブでもまれて成長してくる選手も出てきた。

内山監督は「すべてが思い通りになるなら、4大会連続で失敗などしない。ブラジルやフランスなど、世界の強豪と実戦機会も持たせてもらって、我慢も学んだ。弱みを見せず、相手のミスを突けるチームになりつつある」とうなずいた。何としても、世界のキップを勝ち取る。

○…G大阪MF堂安(どうあん)は「圧倒的な戦い方をしてアジア王者になりたい」と意気込んだ。U-17W杯出場権を獲得したU-16代表FW久保について「代表の同じピッチでもやってみたいですね。まだ会ったことないので」と、飛び級代表入りを熱望しつつも「東京五輪世代でチームを勝たせる役目は自分だと思っている」。東京五輪でのエースの座は譲らないつもりだ。

◆16年U-19アジア選手権 準々決勝に勝利した上位4チームが来年5~6月に韓国で開催されるU-20W杯の出場権を獲得。1次リーグは出場16チームが4組に分かれ、各組上位2チームの計8チームが決勝トーナメントに進出。本大会の開催国の韓国が準決勝に進んだ場合は、準々決勝で敗れた4チームによる5位決定戦を実施する。

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