主役はG大阪の岩下と岡部主審… “ダブル”シルバ退場の新潟が大荒れの完敗劇でJ1陥落崖っぷち

無念の片渕監督「11人で戦いたかった…」

 アルビレックス新潟は29日のJリーグセカンドステージ第16節で敵地G大阪戦に臨んだが、微妙な判定に泣き続けて1-3で敗戦した。試合後に片渕浩一郎監督は、「11人で戦いたかった」と悔しさをにじませた。

敵地の吹田スタジアムに乗り込んだ新潟は、開始5分でFWアデミウソンに先制点を許す苦しい立ち上がりに。しかし、同35分にFWラファエル・シルバが同点弾を決めて、貴重な勝ち点確保に一歩近づいたかに見られた。

しかし、後半の新潟を待っていたのは悪夢だった。同5分、R・シルバがペナルティーエリア内でG大阪DF岩下敬輔に倒されたように見えたが、これがシミュレーションだったとして、岡部拓人主審はこの日2枚目の警告を下して、エースストライカーは退場となった。するとその10分後、G大阪MF遠藤保仁の浮き球パスを、DF舞行龍ジェームズがペナルティーエリア内で胸に当てて処理しようとしたところ、腕に当たったとして無情のPK判定。これをPK職人の遠藤に決められて1-2と勝ち越された。

1点を追う新潟に、最悪の事態が起きたのは後半アディショナルタイムだった。カウンターを仕掛けたFW鈴木武蔵が抜け出そうとしたところ、岩下が危険なスライディングタックル。抜け出せば決定機を迎えるところだっただけに、新潟イレブンは猛抗議。その際、怒りのジェスチャーを見せていたレオ・シルバの手が、岡部主審の出そうとしたイエローカードを直撃。これが非紳士的行為と見なされて、ブラジル人司令塔にも一発レッドカードが提示された。新潟にとってはJ1残留を争う大一番で、DF舞行龍のシュートを手で止めたように見えた岩下と、岡部主審が主役となってしまう、大荒れの試合となった。

最終節の広島戦は攻守の軸を欠くことに…

 一連の判定による影響は、この試合だけにとどまらない。11月3日の広島との最終節では、今季チーム得点王のR・シルバ、攻守の大黒柱であるL・シルバが出場停止になる緊急事態に。舞行龍も累積警告で出場停止となり、さらに契約の問題で、広島から期限付き移籍中のFW野津田岳人も出場できない。大激震の新潟は試合終了直前、G大阪のFW呉屋大翔に決定的な3点目を浴びて万事休した。悪夢のような試合展開に、今季途中から指揮官に就任した片渕監督は、フラッシュインタビューで悔しさを押し殺しながらこう語った。

「結果的に非常に残念な結果になりましたけど、僕らの持っているパワーは最後まで出せたと思います。そのなかでも……やはり11人で戦いかったのはあります」

退場となったR・シルバとL・シルバへの判定については、「そこは皆さんの目を信じるしかないので。ジャッジはいくら言っても覆らない。レフェリーもリスペクトします」としたが、その話しぶりに悔しさがにじんでいた。

それでも片渕監督は「状況が状況ですし、今置かれている立場を理解しないといけないと思います。ウチはどの選手も普段から出られる準備をしています。ですから誰が抜けても心配していません」と選手への信頼を口にした。主力を欠いたなかでの昨季J王者との戦いで、意地を見せることはできるだろうか。

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